2008 Fiscal Year Annual Research Report
ミルクスタシスを制御するローカルモノアミンネットワーク
Project/Area Number |
19570052
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
松田 学 University of Tsukuba, 大学院・人間総合科学研究科, 講師 (30282726)
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Keywords | 泌乳制御 / セロトニン / ヒスタミン / カテコールアミン / 乳腺 / タンパク質発現 |
Research Abstract |
発達た乳腺で発現する3つのモノアミン合成/代謝素である、ヒスタミン合成酵素(HDC)、セロトニン合成酵素(TPH)およびノルアドレナリン合成酵素(DBH)の類似酵素DBH-LP2(Moxd1)の乳腺における機能について研究を展開した。その結果、まず、HDC遺伝子欠損マウスにみられる泌乳異常の解析から、正常な泌乳には乳腺上皮におけるHDCの発現が必須であること、また、このHDC機能には既知の細胞膜受容体を介したシグナル伝達系は関与せず、細胞内受容体もしくはHDCのヒスタミン合成以外の機能が関与していることが明らかとなった。次に、TPHによる泌乳制御機構に関しては、HDC/ヒスタミンの働きをTPH/セロトニンが仲介するかどうかという視点から研究を進め、TPH発現の充進がHDC欠損による泌乳異常を仲介しているのではないことが明らかとなった。一方、moxd1発現の研究から、DBHファミリー分子のタンパク質産生量は、C末領域にある特徴的な配列により制御されていることが明らかとなった。この発見は、moxdlの酵素活性領域の高効率発現法の開発を可能にし、moxd1がDBHの有するオクトパミン産生機能を欠くことを実証することができた。さらに、この配列を利用して特定のタンパク質の発現量を負に制御できる技術を開発した。このように、本研究により、モノアミン類が泌乳制御に深く関与する証拠が得られたとともに、タンパク質生産の制御機構に関する薪しい問いを手に入れた。
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Research Products
(3 results)