2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19570053
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
山口 正視 Chiba University, 真菌医学研究センター, 准教授 (90147364)
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Keywords | 酵母 / 細胞 / ストラクトーム / 電子顕微鏡 / 凍結置換法 / 連続超薄切片法 / 三次元再構築 |
Research Abstract |
ゲノム解析に用いられたサッカロミセス・セレビシエS288C株の指数増殖期の細胞を急速凍結法により固定し、エポキシ樹脂に包埋したあと、連続超薄切片を作成した(J Electron Microsc印刷中)。まず、G1期の細胞のストラクトーム解析を行うために、完璧な連続切片撮影に成功した12個の出芽していない細胞を選び、個々の細胞ごとに、細胞壁、原形質膜、核、核小体、核膜、ミトコンドリア、粗面小胞体、滑面小胞体、リボソーム、小胞、液胞、紡錘極体、微小管、アクチンケーブル、ウイルス様粒子、サイトゾルなどの数、長さと直径、体積、および膜の厚さを計測している。 その結果、現在1個の細胞のストラクトーム解析を終えたところで、この細胞に、ミトコンドリアは2個、液胞は2個、小胞体は16個、オートファゴソームは2個存在し、ミトコンドリアは細胞の体積の1%、液胞も1%、核は10%、細胞壁は16%、小胞体は0.5%の体積を占めることがわかった。すでに報告したエキソフィアラのストラクトームでは、ミトコンドリアは細胞の体積の10%、液胞は6%を占めるという結果なので、同じ酵母でもストラクトームの構成に大きな違いがあることが明らかになった。 今後さらに、11個のG1期の細胞のストラクトーム解析を進める予定である。さらに、その後、出芽している細胞を30-40個選び、芽の大きさから細胞周期の時期を特定して、細胞周期の進行とストラクトームの変化を解析していく予定である。
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