2007 Fiscal Year Annual Research Report
シークエンスキャプチャー法による生理活性ペプチド遺伝子の交率的なクローニング
Project/Area Number |
19570063
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Research Institution | Toho University |
Principal Investigator |
岩室 祥一 Toho University, 理学部, 准教授 (70221794)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
菊山 榮 早稲田大学, 教育総合科学学術院, 名誉教授 (20063638)
小林 哲也 埼玉大学, 理工学研究科, 准教授 (00195794)
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Keywords | 両生類 / 抗菌ペプチド / 皮膚 / 遺伝子クローニング / 抗菌活性 / ハチ毒メリチン様ペプチド / ヒストンH4 / 細胞溶解性 |
Research Abstract |
本年度の主な研究実績は、(1)チョウセンヤマアカガエル皮膚抽出物からの抗菌ペプチド及び細胞溶解性ペプチドの単離とカエル種間におけるその系統的解析、(2)タゴガエル及びナガレタゴガエルからのハチ毒メリチン様抗菌ペプチド遺伝子の単離と発生段階並びに器官依存的な発現の解析、(3)ニホンアマガエル皮膚抽出物からの細胞溶解性ヒストンH4の単離とその遺伝子クローニングに基づく3'非翻訳領域の特異的な塩基配列の発見、及び(4)遺伝子クローニングに基づくニホンアカガエル皮膚からの新規抗菌ペプチド・Brevinin-1Jaの発見とその抗菌性並びに細胞毒性の検証、(5)シュレーゲルアオガエル皮膚より抗菌物質として得たヒストンH2Bの作用機序の解析、(6)ニホンアカガエル特異的な抗菌ペプチドであるJaponicin-1及びJaponicin-2の遺伝子クローニング、in situ hybridization法による局在解析、分子内ジスルフィド結合の有無による抗菌活性への影響の解析、(7)ヤマアカガエル皮膚から得られた数種の抗菌ペプチドに対する遺伝子のクローニング、であり、関連項目を各種学会で発表したほか、(1)〜(4)について4編の学術論文として公表した。さらに(5)〜(7)についても複数の学術論文を投稿中である。本研究の目的とする効率的な遺伝子クローニングは着々と成果を挙げており、新規のペプチドをコードする遺伝子なども見つけている。現在、両生類においては皮膚以外の器官から、また両生類以外の動物からはこれまでに研究対象とされていない外分泌腺を中心に、抗菌ペプチドの探索を試みている状況である。抗菌ペプチドは、抗菌活性以外にも抗ウィルス性や免疫系の活性化などに深く関与することが報告されるようになって来ており、医療薬学方面での重要性が加速的に増していることからも、本研究のもつ社会的意義は大きい。
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