2007 Fiscal Year Annual Research Report
先体反応誘起に必須な2つのシグナルによる精子内Ca2+上昇の連携調節機構
Project/Area Number |
19570074
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
松本 緑 Keio University, 理工学部, 准教授 (00211574)
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Keywords | 先体反応 / Caイオン / 精子運動性 / 受精 |
Research Abstract |
ヒトデの先体反応について、精子内のCa^<2+>の上昇を促す2種類の機構(ARISとasterosapのシグナル伝達機構)が起こす単独作用の時とは全く異なる協調的なCa^<2+>の上昇機構に焦点をあててこれを解明することにある。本年度においては、未だ同定できていないAKIS受容体をARIS活性糖鎖であるFr.1に対するアフィニティークロマトグラフを用いて、精子膜画分よりFr.1特異的に結合性を持つ41kDの受容体候補タンパク質が見出した。さらに、その受容体候補タンパク質の精子膜ラフトへの局在を明らかにした。ARISとasterosapの協同的な刺激により、精子内cAMPの上昇とcAMP依存蛋白質リン酸化酵素(PKA)によるタンパク質のリン酸化がおこることが示されているので、PKAのターゲットとなるタンパク質を同定し、このシグナル経路を試みたが、同定にはいたらなかった。また、ARIS分子の構造を決定するために、ARIS蛋白質領域の構造を解析したところ、3種類の蛋白質分子(ARIS1,2,3)が存在することがわかった。エドマン分解に部分配列を決定し、それを元にしたRT-PCRにより、ARIS3の全塩基配列を決定した。さらに、Asterias amurensis,A.ferbesi,and Asterina pectiniferaの精子膜蛋白質を質量分析によりプロテオミクス解析を行い、種間の蛋白質を比較検討した。
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