2009 Fiscal Year Annual Research Report
アジア及びオセアニアにおけるホウオウゴケ科蘚類の多様性
Project/Area Number |
19570098
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Research Institution | Hattori Botanical Laboratory |
Principal Investigator |
岩月 善之助 Hattori Botanical Laboratory, 岡崎分室, 研究員 (80072809)
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Keywords | 蘚苔植物 / ホウオウゴケ科 / 多様性 / アジア / オセアニア |
Research Abstract |
(1)インドネシア南スラエシのホウオウゴケ属(Fissidens) 神山隆之氏が調査したインドネシアの南スラエシのホウオウゴケ属(Fissidens)の資料53点を研究した。このコレクションはこれまでホウオウゴケの調査が十分には行われていなかった地域からの貴重なものである。これら53点の資料を研究した結果、21種のホウオウゴケを確認した。そのうち10種(Fissidens angustifolius, F.brevinervis, F.capitulatus, F.curvatoinvolutus, F.firmus, F incognitus, F.kalimpongensis, F.kurzii, F.subbryoides,F. virens)はこの地域に初めての記録である.この結果を論文にまとめ、近くHattoriaに発表の予定である。 (2)マレー半島で見つかったホウオウゴケ属(Fissidens)の新種。 マレー大学の研究者による、マレー半島のコケの調査の折に見つかったホウオウゴケの資料を研究し、そのうちの1点を新種と認め,Fissidens benitotanii Z.Iwats., K.T.Yong & Tad.Suzukiと命名し、シンガポール植物園発行のGarden's Bulletin Singapore 61 (1) : 49-53 (2009)に発表した。本種はホウオウゴケとしては小型の種であるが、次のような特徴で、近縁の種から区別される。狭い被針形の葉をもち、中肋は葉先から短く突出する。葉の縁には細い透明細胞からなる舷があり、葉身細胞に各1個の尖ったパピラがある。 (3)服部植物研究所所蔵の基準標本の整理。 服部植物研究所所蔵の苔類の基準標本については、すでにリストが出版されている。このたび、蘚類の基準標本のうち、日本産の種についてデータを整理し、近くHattoriaに発表する。服部植物研究所には、日本産のFissidensの基準標本50点が収蔵されていることが分かった。なお服部植物研究所所蔵の蘚類の基準標本のうち、国外産の標本についても、なるべく早くリストをまとめたい。
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