2007 Fiscal Year Annual Research Report
酵母26Sプロテアソームの低分解能結晶構造解析と分子様態に関する研究
Project/Area Number |
19570103
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
森本 幸生 Kyoto University, 原子炉実験所, 教授 (80200450)
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Keywords | プロテアソーム / X線結晶構造解析 |
Research Abstract |
プロテアソーム・ユビキチンシステムは、生体内の貴重なエネルギーを使ってタンパク質を分解し細胞の代謝回転を安定に保ち、かつ抗原ペプチドを切り出して免疫反応に備える機能を持つ。この一連の機構は、自己・非自己を識別し、分解されるタンパク質にフラグをつけ、それを各々が正確に認識して行われる。これらは複合体としてあるいは分子群集合体として、原子レベルで高度に制御されていることを示している。この分子および分子間メカニズムを解明するために(1)20S粒子両端に結合する19S調節因子を含めた26S粒子の構造解析を計画し、この粒子で分解されるタンパク質の脱ユビキチン化を行う関連酵素についても結晶化を行った。また(2)20S本体に結合する調節11S調節因子の溶液中での動態解析を目的とした。牛肝臓20Sプロテアソームの解析結果との整合性を保つため、真核細胞である酵母由来の20Sプロテアソームおよび調節因子を共発現させた26Sプロテアソームを用いた結晶化を行った。一部結晶は得られたが調節因子が結合していない粒子であると考えられたため両粒子の一部サブユニットを融合させた強固な26S粒子を構成する発現系を用いてさらに精製、結晶化を行っている。これとともに脱ユビキチン化酵素(UCH37)N末端ドメインについても結晶化を行い回折実験を行った。現在位相決定の段階である。また溶液散乱法を用いた周辺タンパク質群との相互作用による分子凝集にも焦点を当てている。そのためのモデル可視化ソフトウェアを開発し、11S調節因子(PA28)の14量体についての中性子散乱実験を行った。これによりPA28は7量体同士が接合したモデルを提唱した
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Research Products
(4 results)