2007 Fiscal Year Annual Research Report
マラリアの母子感染阻止を目指した糖鎖工学的アプローチ
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19570119
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Research Institution | Hirosaki University |
Principal Investigator |
柿崎 育子 弘前大学, 大学院・医学研究科, 准教授 (80302024)
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Keywords | マラリア / プロテオグリカン / グリコサミノグリカン / 糖転移反応 / オリゴ糖 |
Research Abstract |
特許出願準備中の案件と関連がありますので、公表を見合わせていただきたく、調書を添付いたします。 本研究は、ヒアルロニダーゼの糖転移反応を用いた糖鎖工学によって、デザイン通りの配列の組み換えオリゴ糖を合成し、それらを用いてマラリアの経胎盤感染に機構を解明し、糖鎖に着目した医薬品の創出を目指すものである。本年度は、以下の知見を得た。 1. グリコサミノグリカンオリゴ糖の高収率組み換えシステムの開発 従来溶液中で行われてきた糖転移反応を、ヒアルロニダーゼを固定化した樹脂を用いた系で行うことに成功した。また、反応終了後の反応液中の出発物質と反応生成物との分離法を検討し、組み換えシステムの半自動化を目指した場合に有用な分離法を見出した。 2. グリコサミノグリカンオリゴ糖の組み換え条件の至適化 ヒアルロニダーゼによる糖転移反応のドナーとアクセプターの組み合わせの中で、ヒアルロン酸をアクセプターとした場合の反応条件の検討を行った。同じドナー由来のグリコサミノグリカン糖鎖を長く伸長させる場合や、2糖単位を1単位伸長させたる場合など、目的に応じた条件をドナーの種類毎に見出した。 3. マラリア病虫に感染した赤血の胎盤への接着に必要なグリコサミノグリカン糖鎖構造にる マラリア病原虫に感染した赤血球と胎盤由来のプロテオグリカンとを用いたシャーレ上での接着阻害実験の結果から、接着に重要なグリコサミノグリカン糖鎖の種類はコンドロイチン4-硫酸構造を含む糖鎖で、最小の糖鎖長は12糖であることが明らかとなった。
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Research Products
(4 results)