2009 Fiscal Year Annual Research Report
エンドサイトーシスによる細胞外シグナルの下方制御機構の解析
Project/Area Number |
19570120
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Research Institution | Tokyo University of Science |
Principal Investigator |
十島 二朗 Tokyo University of Science, 基礎工学部, 講師 (00333831)
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Keywords | エンドサイトーシス / アクチン / シグナル伝逹 / 癌 / クラスリン |
Research Abstract |
本年度計画に沿って以下の研究を実施した。1つ目の研究課題である「リガンドに結合した受容体のエンドサイトーシス部位への輸送機構の解析」については、リガンド-受容体の移動を制御する蛋白質の同定を試みた。H20年度までの研究において、私達は野生型のSte2受容体がリガンドであるα-factorに結合した際、約10分でエンドサイトーシスの部位に輸送されること、さらに、受容体のエンドサイトーシス部位への輸送には受容体の細胞内ドメインのリン酸化およびユビキチン化が重要であることを明らかにした。今回、私達はリン酸化したSte2受容体に結合する同定するため、Ste2受容体の細胞内ドメインのリン酸化型変異体をベイトとして用い、酵母ハイブリッドスクリーニングを行った。この結果、哺乳類14-3-3蛋白質の酵母ホモログであるBmh2pを新規結合蛋白質として同定した。14-3-3蛋白質は標的蛋白質とリン酸化Ser/Thrを介して結合するアダプター蛋白質であるが、Bmh2pのSte2pへの結合もリン酸化依存的であることを明らかにした。また、Bmh2pのN末端領域の過剰発現はSte2pのエンドサイトーシスにも抑制的に働くことを見出した。2つ目の研究課題である、「クラスリン小胞の初期エンドソームへの輸送機構」については、クラスリン小胞とエンドソームの会合メカニズムを明らかにするために、クラスリン小胞から細胞内エンドソームへの積み荷の輸送に異常がある変異体の同定を試みた。エンドソーム局在蛋白質やエンドサイトーシス関連蛋白質の遺伝子欠損変異体を約300種類作製し、これらの変異体における蛍光標識したα-factorのクラスリン小胞を介したエンドサイトーシスへの輸送効率を調べた。これまでに、α-factorの輸送に異常が見られる遺伝子欠損変異体を13種類同定しており、現在、これらの変異体におけるクラスリン小胞の輸送を詳細に解析している。
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Research Products
(7 results)