2008 Fiscal Year Annual Research Report
新規ユビキチン類似タンパク質MNSFβによるアポトーシス調節機構の解明
Project/Area Number |
19570131
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Research Institution | Shimane University |
Principal Investigator |
中村 守彦 Shimane University, 産学連携センター, 教授 (20155865)
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Keywords | ユビキチン / アポトーシス / フラボノール |
Research Abstract |
ユビキチン類似タンパク質MNSFβが、マウスマクロファージ系細胞株Raw264.7内でアポトーシス促進因子Bcl-Gと共有結合し、フラボノールの一種、ケルセチン(quercetin)がこの複合体形成を調節することを明らかにした。ケルセチンはアポトーシス誘導を制御することで知られるが、その機序にMNSFβ/Bcl-G複合体形成が関与していると考えられた。そして、MNSFβが実際にアポトーシスの制御に関与することをMNSFβsiRNAによるノックダウン実験で証明した。MNSFβsiRNA処理したRaw264.7細胞では、NOドナーであるGSNOのアポトーシス誘導が低減していることを、DNAラダー形成を指標にして実証した。この結果は、MNSFβがアポトーシスを正に調節すること、さらに/Bcl-Gが関与している可能性があることを示唆する。さらに、MNSFβsiRNAをトランスフェクションしたRaw264.7細胞において、p53やPARPさらにカスパーゼ3等の発現パターンの変化に整合性があることを認めた。これらの現象は、リポポリサッカライド(LPS)とインターフェロγン(IFNγ)によるアポトーシス誘導においても全く同様に観察された。MNSFβのアポトーシス調節機能を解明する過程でMNSFβがエンドサイトーシスに関与するエンドフィリン2と細胞内で共有結合し、貧食作用を制御することを証明した。アポトーシス制御機構との関連を検討中である。尚、マクロファージによるザイモサン(βグルカン)の貪食能を評価する上で有用な、酸化亜鉛ナノ粒子を蛍光剤として独自に開発した。
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Research Products
(7 results)