2008 Fiscal Year Annual Research Report
プロテオミクスにより同定されたEGF受容体下流新規因子に関する研究
Project/Area Number |
19570133
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Research Institution | Prefectural University of Hiroshima |
Principal Investigator |
小西 博昭 Prefectural University of Hiroshima, 生命環境学部, 教授 (40252811)
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Keywords | ペルオキシソーム / PTS配列 / プロテアーゼ / β酸化酵素 |
Research Abstract |
我々の行ったプロテオミクスにより同定した新規ペルオキシソーム特異的Lonプロテアーゼ(pLon)の解析を行った。pLonはこれまでに同定されているミトコンドリア特異的Lon (mLon)に構造上は類似しているが、カルボキシル末端にPTS1(ペルオキシソーム移行シグナル)配列を持ち、ペルオキシソームにのみ局在する。pLonに特異的に結合するタンパク質を解析したところ、PTS1配列を含むacy1-CoA oxidase (AOX)やPTS2配列を含む3-ketoacyl-coenzyme A thiolase (PTL)などが結合した。pLonの過剰発現によりAOXのペルオキシソームへの正しい局在が促進され、RNAiによるpLonの発現抑制によりそれが阻害された。しかし、AOXの発現によるPTLのペルオキシソーム移行への影響は見られなかった。このことから、pLonはPTS1依存的なペルオキシソームタンパク質の正しい局在において重要なプロセシング酵素であることが示唆された。ペルオキシソームは活性酸素などの除去などにおいて重要な働きをするオルガネラであるが、ペルオキシソーム内のβ酸化酵素活性やカタラーゼ活性にもpLonの発現が影響した。また、いくつかのβ酸化酵素はペルオキシソームの正常な分裂、成熟化に寄与していることが最近報告されている。pLonの発現により、ペルオキシソームの分裂阻害による肥大化が観察された。これらのことから、pLonの発現異常はペルオキシソームそのものの働きにも影響することが考えれる。これについては今後のさらなる解析が必要である。
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[Journal Article] Novel tyrosine phosphorylated and cardiolipin-binding protein CLPABP functions as mitochondrial RNA granule.2008
Author(s)
Sano, E. ., Shono, S., Tashiro, K., Konishi, H., Yamauchi, E., Taniguchi, H.
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Journal Title
Biochim. Biophys. Acta 1783
Pages: 1036-1047
Peer Reviewed