2007 Fiscal Year Annual Research Report
上皮増殖因子受容体シグナル伝達におけるジアシルグリセロールキナーゼδの機能解析
Project/Area Number |
19570136
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Research Institution | Sapporo Medical University |
Principal Investigator |
今井 伸一 Sapporo Medical University, 医学部, 助教 (20213209)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
坂根 郁夫 札幌医科大学, 医学部, 准教授 (10183815)
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Keywords | ジアシルグリセロールキナーゼ / ジアシルグリセロール / ホスファチジン酸 / 上皮増殖因子 / RACK1 |
Research Abstract |
ジアシルグリセロールキナーゼ(DGK)はジアシルグリセロールをリン酸化してホスファチジン酸を産生する酵素であり、現在まで10種類のアイソザイムの存在が報告されている。そして、これらはそのドメイン構造の特徴からIからV型に分類されている。II型アイソザイムであるDGKδは上皮増殖因子(EGF)受容体シグナルを正に制御していることから、この制御機構の解明を目的として、今年度はDGKδとRACK1 (receptor for activated C kinase 1)の結合の解析を行った。DGKδと結合するタンパク質として酵母two-hybridスクリーニングによりクローン化したRACK1は、7つのTrp-Asp 40(WD40)リピートからなる様々なシグナル蛋白質と結合することが報告されているアダプター蛋白質である。酵母two-hybridシステムによるアッセイではDGKδはRACK1の5から7番目のWD40リピートと結合することが判った。また、COS-7細胞にDGKδとRACK1を共発現して免疫沈降実験を行ったところ、両者は共沈してきた。さらにHEK293細胞の内在性のDGKδを免疫沈降したところ、内在性のRACK1が共沈してきた。他のDGKアイソザイムとRACK1の共沈を検討したところ、DGKδ同様II型アイソザイムに分類されるηとRACK1は共沈したが、I型アイソザイムであるα、γとRACK1は共沈しなかった。また、DGKδとRACK1に蛍光蛋白質を付加した融合蛋白質をCOS-7細胞に共発現したところ、両者はその一部がクラスリン被覆小胞と考えられる細胞内顆粒で共局在していた。DGKδとRACK1が細胞内で結合することから、RACK1もEGF受容体シグナルに関与する可能性が示された。
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