2008 Fiscal Year Annual Research Report
上皮増殖因子受容体シグナル伝達におけるジアシルグリセロールキナーゼδの機能解析
Project/Area Number |
19570136
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Research Institution | Sapporo Medical University |
Principal Investigator |
今井 伸一 Sapporo Medical University, 医学部, 講師 (20213209)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
坂根 郁夫 札幌医科大学, 医学部, 准教授 (10183815)
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Keywords | ジアシルグリセロールキナーゼ / RACK1 / ジアシルグリセロール / ホスファチジン酸 |
Research Abstract |
ジアシルグリセロールキナーゼ(DGK)はジアシルグリセロールをリン酸化してホスファチジン酸を産生する酵素であり、現在まで10種類のアイソザイムの存在が報告されている。そして、これらはそのドメイン構造の特徴からIからV型に分類されている。II型アイソザイムであるDGKδは上皮増殖因子(EGF)受容体シグナルを正に制御していることから、この制御機構の解明を目的として、DGKδとRACK1(receptor for activated C kinase1)の結合の解析を行った。DGKδと結合する蛋白質として酵母two-hybrid法により我々がクローニングしたRACK1は、DGKδの酵素活性には影響を与えなかった。また、RACK1はDGKδと共にII型に分類されるη、κアイソザイムと共沈したが、I型に分類されるα、γアイソザイムとは共沈しなかった。このことから、II型DGKとRACK1が選択的に相互作用することが示された。COS-7細胞において、DGKδはRACK1の発現の有無でその局在に変化はなかった。しかし、RACK1はそれのみを発現した場合は細胞質や核に広く存在していたが、DGKδを共発現することにより、その一部がクラスリン被覆小胞に移行しDGKδと共局在した。このことからDGKδがRACK1の一部をクラスリン被覆小胞にリクルートしていると推測される。また、DGKδ1あるいはδ2とRACK1を発現させた後、ホルボールエステル処理した細胞でDGKδの免疫沈降を行うと、DGKδ1と共沈してくるRACK1の量は減少したが、DGKδ2では変化がなかった。その際、DGKδ1は細胞膜へと移行していたが、RACK1やDGKδ2の局在の変化は観察されなかった。
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