2008 Fiscal Year Annual Research Report
細胞内シグナルネットワークにおけるミリスチル化蛋白質の機能調節機構の解明
Project/Area Number |
19570139
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Research Institution | Kyoto Gakuen University |
Principal Investigator |
松原 守 Kyoto Gakuen University, バイオ環境学部, 准教授 (90288481)
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Keywords | ミリスチル化 / リン酸化 / プロテオーム / プロテインキナーゼ / 質量分析 / シグナル伝達 / 蛋白質相互作用 |
Research Abstract |
細胞内シグナルネットワークにおけるミリスチル化蛋白質の機能調節機構を理解するために、NAP-22について、ミリスチル化依存的に結合する蛋白質の同定を行ったところ、昨年度までの結果でカルモジュリン以外にPKCαやERK1,2などのプロテインキナーゼが同定された。本年度は、ERK1によるNAP-22のリン酸化部位を質量分析計で解析したところ、NAP-22(rat)のThr180番目がリン酸化されていた。この部分は、ヒト、マウス、ラットにおいて保存されている領域であることから、重要なリン酸化部位であることが推定された。更に、他のMAPキナーゼによってもリン酸化されるかどうかを検討したところ、p38やJNK1によってもThr180がリン酸化されることが分かった。 細胞内でのこのリン酸化部位の生理的な意義を明らかにするために、このリン酸化部位に対するポリクローナル抗体の作成を試みたが、現在までに力価の高い抗体ができていない。 Thr180のリン酸化による、カルモジュリン結合の影響を検討した結果、リン酸化による結合能の差は出なかった。これは、カルモジュリン結合部位から離れているためと考えられた。 ミリスチル化蛋白質が関与するシグナル伝達系の理解のためには、細胞内でのこれらの蛋白質のリン酸化解析も必要である。リン酸化解析を効率よく行うシステムとして、昨年度はPhos-tagアクリルアミドゲルを用いることにより、個々のリン酸化部位に対応したバンドを分離し、それに対応するリン酸化部位を同定することに成功した。本年度も、このphos-tagの系と質量分析を利用した解析システムにより、ベーターカゼインの5つのリン酸化部位、コネキシン36のカルモジュリンキナーゼIIによるリン酸化部位の決定に成功した。
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Research Products
(7 results)