2007 Fiscal Year Annual Research Report
最速モーター車軸藻ミオシンのユニークなアクチン結合様式の研究
Project/Area Number |
19570149
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
伊藤 光二 Chiba University, 大学院・融合科学研究科, 助教 (50302526)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
安永 卓生 九州工業大学, 情報工学部, 准教授 (60251394)
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Keywords | ミオシン / アクチン / 車軸藻 / モータータンパク質 |
Research Abstract |
淡水産の藻類である車軸藻ミオシンは50μm/sで動く最速の分子モーター蛋白質で,この桁違いのこの速さのため注目されてきた。それは,どのような機構でこの速い速度を生み出しているかを解き明かすことは,ミオシンの化学-力学エネルギー変換機構の解明においても大きな知見となると期待されているからである。申請者は車軸藻ミオシンはアクチンとloop2ではほとんどイオン結合せず,loop3で結合することを示唆するデーターを得ていたが,これが最速ミオシン運動を引き出す機構に関与している可能性が示唆される。そこで,本補助金による研究により,結合様式の検証をおこなった。その方法として,loop2,およびloop3の正電荷をつぶすことにより,アクチン活性化ATP分解活性のKmがどのように変わるかを検証した。Loop3にはloop3には塩基性アミノ酸が5つあるが,これらの塩基性アミノ酸のいくつか,もしくはすべてをアラニンに置換した。その結果,塩基性アミノ酸をアラニンに置換した数が増えるにしたがって,すなわちloop3の正の電荷が少なくなるにしたがって,Kmの値が上昇する,すなわちアクチンとの親和性が減少していった。またloop3の正電荷をすべてアラニンに置換したものはKmが測定できないほどアクチンとの親和性が減少した。このことは,車軸藻ミオシンは他のミオシンと異なり,loop3でのイオン結合でアクチンとの結合に重要であることを示唆している。引き続き平成20年度は,このユニークな結合が速度におよぼす影響を検証していく。
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