2008 Fiscal Year Annual Research Report
画像分離型位相変調法を用いたシナプトソーム活性の計測
Project/Area Number |
19570151
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Research Institution | Tokyo University of Agriculture and Technology |
Principal Investigator |
太田 善浩 Tokyo University of Agriculture and Technology, 大学院・共生科学技術研究院, 准教授 (10223843)
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Keywords | 位相変調 / 光学顕微鏡 / ミトコンドリア / シナプス小胞 / シナプトソーム / 生物物理学 |
Research Abstract |
本研究は、光学分野で発展してきた位相変調法をオルガネラの計測に適した形に改良することで、近年発展しつつある単離オルガネラのライブイメージング技術をさらに発展させ、神経伝達機構を調べるものです。世界で初めてシナプトソームに単離オルガネラのライブイメージング技術を適用し、一個のオルガネラの透過光を計測するだけで、シナプトソームの微細な構造の差を検出します。 上記の目的を達成するために、平成20年度は、1 シナプス小胞の分極状態のミトコンドリアの有無による比較と、2 ミトコンドリアの有無によるCa2+クリアランスおよび開口放出の比較、を行うことを計画しました。 研究の成果は、次の通りです。 1 画像分離型位相変調法を用いて、シナプトソーム内のミトコンドリアの有無を見分けられることを示しました。特に、本位相変調法を用いると、蛍光色素を用いてミトコンドリアの有無を判別する従来法とは異なり、損傷を受けて脱分極したミトコンドリアを含むと思われるシナプトソームも検出できることを示しました。 2 Ca2+クリアランスおよび開口放出をミトコンドリアの有無で比較すると、ミトコンドリアの有無では差が認められないが、ミトコンドリアの活性の有無で比較すると明確な差があり、シナプスの開口放出にミトコンドリアが重要な役割を果たしている可能性が示唆されました。 上記のように、本年度は当初の計画を忠実に実行しました。その結果、位相変調法を用いることで、ミトコンドリアの存在やその活性の有無が、シナプトソームの活性に及ぼす影響を、個々のシナプトソームレベルで検出できる可能性を示すことができました。
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