2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19570154
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
喜田 昭子 Kyoto University, 原子炉実験所, 助教 (70273430)
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Keywords | 短鎖青色光受容体 / BLUF / PixD / FAD / 構造変化 / ラン色細菌 / 結晶構造 / X線結晶構造解析 |
Research Abstract |
青色光受容体タンパク質であるBLUFドメインは,その部位特異的変異体の分光学的研究により,青色光受容時に補欠因子であるFADに結合する特定のアミノ酸の立体構造変化が起こることが示されている.しかし,構造変化の詳細は全く明らかになっていない.本研究は,好熱性ラン色細菌Thermosynechococcus elongatus BP-1由来のBLUFタンパク質であるPixDを研究対象とし,X線結晶解析の手法を用いて,青色光受容時のBLUFタンパク質の構造変化について原子レベルでの知見を得ることを目的としている. 平成20年度は,前年度に収集した,青色光照射下で液体窒素温度に冷却した結晶の反射強度データを用いて立体構造解析を進めた.構造解析には青色光照射方法を変化させた4結晶のデータを用いたが,いずれの結晶構造においても補欠因子周辺のアミノ酸には暗状態の結晶構造との差違を見いだすことは出来なかった.また,Photon Factoryのシンクロトロン放射光を用いて回折実験を多数回行ったが,新たな反射強度データの収集を行うことはできなかった. PixDは単結晶を得ることが困難であることから,安定に単結晶を得る条件の再検索を行い,新たにイソプロパノールを用いた結晶化条件を見いだした.また,バッチ法での結晶化にも成功した.しかしいずれの結晶も従来の結晶よりも高分解能かつ良質な反射を呈さなかったため,本研究目的には適さないと判断した. 得られた結晶に対して青色光照射を連続して行い,結晶の変化の有無を観察したところ,数日間のうちに結晶のエッジの崩壊が観測された.遮光条件下では結晶の外観には全く変化がなかったこと,また青色光照射下では結晶は得られなかった(前年度結果)ことから,青色光照射により結晶形成を妨げる微量な構造変化が起きていることが示唆される.
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Research Products
(1 results)