2009 Fiscal Year Annual Research Report
コンフォメーション病病原蛋白質の凝集を抑制する低分子化合物の作用機構
Project/Area Number |
19570155
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Research Institution | Osaka Prefecture University |
Principal Investigator |
恩田 真紀 Osaka Prefecture University, 理学系研究科, 助教 (60311916)
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Keywords | セルピン / コンフォメーション病 / 痴呆 / タンパク質の折りたたみ / リフォールディング / 神経変性 / 凝集体形成 / 脳 |
Research Abstract |
(1) X線結晶構造解析による薬物デザイン ニューロセルピンのX線構造結晶解析に成功し、ポリマー化抑制に関与するアミノ酸残基の特定に成功した(雑誌論文1;学会発表1,3)。このデータを基に、ドッキングシミュレーション等の手法を用いて、ポリマー化抑制剤のリード化合物を4種見出した(学会発表2)。そして、ニューロセルピンとポリマー化抑制剤の複合体のX線結晶構造解析に成功した(雑誌論文投稿中;学会発表5)。 (2) Folding経路とポリマー化経路の解析 セルピンのポリマーはFolding中間体から生じるという画期的な新説が最近発表された(Yamasaki et al., Nature, 2008年)。我々は、ニューロセルピンのFolding中間体の捕捉に成功し、この中間体がポリマーを形成する事を明らかにした(学会発表4)。この結果は、Yamasakiモデルを支持する実験的証拠であり、Folding中間体を標的分子とした薬物デザインの基盤となる研究成果である。また、この中間体のポリマー化速度がpHに依存する事を見出し、ポリマー伸長のメカニズムを明らかにした(雑誌論文2)。 (3) プロジェクトの総括 大阪バイオ・ヘッドクオーター(研究成果のビジネス化支援を行う機関)が主催する「プロテイン・モール関西」に参画し、本研究で得た成果について、企業に情報提供を行った。また、21世紀科学研究機構・ケミカルバイオロジー研究所のプログラムに参加し、関連分野の企業・研究機関に技術協力した。
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