2007 Fiscal Year Annual Research Report
α/βの両二次構造を含む50残基の蛋白質の自由エネルギー地形を求める
Project/Area Number |
19570156
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
肥後 順一 Osaka University, 臨床医工学融合研究教育センター, 特任研究員 (80265719)
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Keywords | フォールディング / 自由エネルギー地形 / マルチカノニカル / ヒューマニン / WWドメイン |
Research Abstract |
αヘリックスとβシートの両方の二次構造を含み、かつ50残基の長さをもつ蛋白質のフォールディングを、溶媒効果を厳密に考慮しつつコンピュータシミュレーションにより解くことが本研究課題である。この課題は本来ならば億単位の予算を必要とする大規模な研究課題であるが、それを数百万円の予算で小規模に行うことも本研究課題の眼目の一つである。 研究対象として50残基蛋白質Pina WW domain(PDB ID=2JV4;NMRにより立体構造決定)を選んだ。この蛋白質はαヘリックスとβシートの両方を含んでいる。現在マルチカノニカル分子動力学シミュレーションにより、室温(300K)の立体構造をサンンプリング中である。ここまで得られた構造集団(アンサンブル)には、NMR構造との間でmain-chain RMSD(2つの立体構造間で、対応する原子の位置がどれほど近いかをÅ単位で表す量)が6Å程度の構造が得られている。これは2つの立体構造を重ねあわせると、大まかに重なる程度の類似度である。また、NMR構造と部分的に類似した構造(例えば、へリックス/βシートだけが形成されたもの)もサンプリングされている。次年度はサンプリングを続け、様々な立体構造(天然構造だけでなくフォールディング過程で形成される準安定で短寿命な立体構造)の間の関係図(自由エネルギー地形)を作成する。 代表研究者が、平成19年10月に所属を東京薬科大学から大阪大学に移動したため、50残基蛋白質のシミュレーションの開始が半年遅れた。東京薬科大学での6ケ月間は50残基蛋白質の計算を行うための計算機がまだなかったため、24残基蛋白質(humanin;アルツハイマー病の発症を抑える蛋白質)のフォールディング研究を行った(論文(in press))。
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Research Products
(2 results)