2007 Fiscal Year Annual Research Report
免疫細胞活性化初期過程の細胞内1分子イメージング解析
Project/Area Number |
19570158
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Research Institution | The Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
十川 久美子 The Institute of Physical and Chemical Research, 1分子イメージング研究ユニット, ユニットリーダー (20291073)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
徳永 万喜洋 独立行政法人理化学研究所, 国立遺伝学研究所・構造遺伝学研究センター, 教授 (00192659)
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Keywords | 蛍光観察 / 1分子イメージング / マルチカラー3次元イメージング / 免疫細胞 / 亜鉛 |
Research Abstract |
蛍光1分子顕微鏡システムは、蛍光励起用のレーザー光の入射位置をPC制御でシフトすることにより、照明方法を全反射照明法(TIR)から薄層斜光照明法(HILO)そして落射照明法(Epi)へと変化させることができる。薄層斜光照明法は、細胞内部だけを薄層状に照明することで背景光を抑える特徴がある。顕微鏡のステージPC制御によるフォーカスコントロールとあわせてPC制御することにより、細胞表面と細胞内部の任意の深さを瞬時に切り換えることができ、それぞれの場所での最適な観察と同時に、3次元イメージングが可能になる。複数種の蛍光ラベルタンパク質を用いることにより、マルチカラー3次元イメージングを行うことで、各タンパク質の刺激前後での分布変化、共局在変化を定量することができる。このシステムを用いて以下の研究を行った。 免疫担当細胞の一つである肥満細胞を刺激すると、細胞内の亜鉛濃度が数分の間に上昇する(亜鉛ウェーブ)。亜鉛輸送タンパク質の発現による刺激後数時間から数日を要する濃度変化と異なり、細胞外からの刺激が直接作用するセカンドメッセンジャーとしての亜鉛の重要な働きと考えられる。細胞内の亜鉛放出部位を特定するために、蛍光1分子顕微鏡システムにより亜鉛インジケータと小胞体マーカーとの2色3次元イメージングを行ったところ、小胞体付近の細胞質で亜鉛濃度が上昇する様子を観察することができた。
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