2008 Fiscal Year Annual Research Report
細胞-細胞融合としての受精膜融合、その分子機構の解明
Project/Area Number |
19570159
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Research Institution | National Institute of Advanced Industrial Science and Technology |
Principal Investigator |
萩原 義久 National Institute of Advanced Industrial Science and Technology, セルエンジニアリング研究部門, 研究グループ付 (50357761)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
峯 昇平 独立行政法人産業技術総合研究所, セルエンジニアリング研究部門, 研究員 (70415751)
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Keywords | 受精 / 膜融合 / α-ヘリックス / 構造機能相関 |
Research Abstract |
精子由来蛋白質Izumoは受精膜融合に必須な因子である。そこで、本年度は1)NDOMの物理化学的性質、2)NDOMの構造解析(峯、萩原、平田、山本)、3)NDOMによる受精膜融合阻害機構の解明をテーマとした研究を行った。 その結果、1)X線溶液散乱の測定を行い、そのデータをab initio構造解析法により解析することでNDOMのヘリックスコアは伸びた棒状の構造をしていることを明らかとした。さらにNMR測定ではまず安定同位体15Nでシングルラベル、及び15Nと13Cでダブルラベルしたヘリックスコアを調製した。安定同位体を導入していないサンプルを利用して測定条件の探索を行い、低温で測定することで十分に解析可能なスペクトルを観測できることを明らかとした。また安定同位体ラベルを行ったサンプルを用いて、構造解析に必要なスペクトルの測定を終えた。2)X線構造解析を目指し、双晶では無い良好な結晶を得るべく結晶条件の探索を行ったが、顕著に優れた結晶を得ることは出来なかった。また平成19年度に得たデータの再解析を行ったが構造決定には至らなかった。3)60残基ヘリックスコアフラグメントにプロリンを導入してヘリックスを壊したものについてIzumo-/-のバックグラウンドのトランスジェニックマウスを作製した。しかし、導入した変異体では精子膜状の発現が見られず、それ以上の解析は断念した。NDOMの変性によって細胞の品質管理機構が働き、変異体が細胞膜上へ正常に移行しなかったものと考えられる。
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