2007 Fiscal Year Annual Research Report
酵母の遺伝子相同組換えに関与するRad55-Rad57蛋白複合体の生化学的解析
Project/Area Number |
19570168
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
新井 直人 Nihon University, 生物資源科学部, 講師 (70297795)
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Keywords | 遺伝子 / 核酸 / 相同組換え / 酵母 / DNA / 相同対合 / 蛋白質 |
Research Abstract |
Rad55-Rad57蛋白複合体の単独の活性及びRad52-Rad51蛋白複合体によるD-loop形成への効果を生化学的に解析するために,Rad55-Rad57蛋白複合体の精製を試みた。 RAD55とRAD57遺伝子に対し,Rad55蛋白のN末には(His)_6-tag(His-Rad55)を,Rad57蛋白のC末にはStrep-tag(Rad57-strep)を付加したベクターを構築し,同一大腸菌内で共発現した。しかし,strep-tagは十分に機能せず親和性カラムによる精製が困難であったため,Rad57蛋白についてstrep-tagに代えてGST-tag(Rad57-GST)を付加した。大腸菌内でHis-Rad55蛋白とRad57-GST蛋白を発現し,可溶化する条件を決定した。また同一の大腸菌内で両蛋白を共発現すると発現量が極端に減少したため,両蛋白を別々の大腸菌で発現させ,菌体を破砕した後,無細胞抽出液を混合することによりRad55-Rad57蛋白複合体を形成させた。そして硫安沈殿,Glutathione Sepharoseカラム,Ni-アガロース(バッチ法)により複合体のみを精製した。しかし今回の精製では生化学的解析に必要な蛋白量は得られなかった。その原因は,Rad57-GSTのGlutathione Sepharoseカラムへの吸着効率が低く,proteaseによるGSTの切断除去の効率も50%程度であったことが上げられる。またGlutathione Sepharoseカラムへ吸着したRad57のうちRad55と複合体を形成していたのは50%以下であった。これらを解決するためにRad57のN末に(His)_6-tagを付加し,Rad57とRad55を個別に精製した後,複合体を形成させ,ゲルろ過により複合体のみを回収する方法に切り替え実験を進めている。この方法によりRad55単独とRad57単独の活性の解析も可能となることが期待される。
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