2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19570172
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Research Institution | National Institute for Basic Biology |
Principal Investigator |
定塚 勝樹 National Institute for Basic Biology, ゲノム動態研究部門, 助教 (40291893)
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Keywords | 染色体凝縮 / 遺伝学 / 分子生物学 / コンデンシン / リボソーム / ゲノム動態 / 染色体分配 / 合成致死 |
Research Abstract |
コンデンシンは、染色体凝縮と分配に中心的な役割を果たす蛋白質複合体で、凝縮した染色体の中心軸状にコンデンシンが局在する様子が顕微鏡で観られている。DNAレベルでコンデンシンが結合する部位が特定できれば、その結合機構やDNA鎖折りたたみの作用機構の解明に大きな貢献が期待できる。報告者のこれまでの解析から酵母では、コンデンシンがリボソームRNA遺伝子反復領域内に在る複製フォーク阻害点(RFB)に、そこに配列依存的に結合してフォーク進行阻害に働くFob1蛋白質に依存して、複製時期に結合する事が判った。本研究では、コンデンシンのRFBへの結合機構の解明を目指した。研究成果として、1、RFBを含む短いDNA断片をゲノムの任意の場所に挿入しても、そこにコンデンシンがFob1に依存して結合する事から、RFBはコンデンシンが結合するシス配列である事を示した。さらに、2、コンデンシンの結合は、RFBにFob1蛋白質が結合する事に依存するが、そこでの複製フォーク阻害に依存している訳では無い事も判った。さらに、3、Fob1とコンデンシンの間の相互作用は検出されない事からFob1以外の因子が仲介してコンデンシンをリクルートする可能性が濃厚となった。そこでFob1以外に必要となる因子を、コンデンシン変異と合成致死性を示す変異体を単離する遺伝学的手法により、多数の変異株を単離して解析した。これら変異株の解析から、4、現在までに少なくともFob1以外に3つの蛋白質が、コンデンシンの結合に必須である事が判明した。また、これら3つの蛋白質は、Fob1依存的にRFBに結合し、5、この内の2つの蛋白質とコンデンシンサプユニット間での相互作用が2-hybridにより観られた。以上の結果から、まずFob1がRFBに結合し、次に少なくとも3つの蛋白質がRFBにリクルートされ、それらがコンデンシンを特異的にRFBにリクルートするメカニズムが示唆される。
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