2008 Fiscal Year Annual Research Report
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19570172
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Research Institution | National Institute for Basic Biology |
Principal Investigator |
定塚 勝樹 National Institute for Basic Biology, ゲノム動態研究部門, 助教 (40291893)
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Keywords | 染色体凝集 / 遺伝学 / 分子生物学 / コンデンシン / リボソーム遺伝子 / ゲノムダイナミクス / 染色体分配 / 合成致死 |
Research Abstract |
間期の核の中で緩んだ状態のDNAは、分裂期になると太くて短い特有の形状を示す分裂期染色体へとその形を大きく変化させる。このダイナミックな染色体の形態変化でDNAに作用して中心的役割を果たすのがコンデンシンと呼ばれるタンパク質複合体である。しかしながら、コンデンシンが染色体のどのような場所に、どのようにして結合し、どのようにコンパクト折りたたんでいるのか、依然として全く理解されていない。出芽酵母を用いてこれまでに、リボソームRNA遺伝子(rDNA)繰り返し領域内にある複製停止部位(RFB)にコンデンシンが特異的に結合する事を見いだして来た。この結合にはRFBに特異的に結合して複製停止に働くFob1タンパク質が必要である。本研究でこのFob1とコンデンシンとの間をタンパク質間相互作用により仲介するCsm1,Lrs4,Tof2の新たな3つのタンパク質が必要であることを明らかとした。これによりコンデンシンのクロマチン結合は、DNAの特異的部位に結合してコンデンシンと物理的相互作用する複数からなるリクルーターが働いている事が判った。これらのうちCsm1は減数分裂期に入ると、rDNAが局在する核小体からセントロメアへとその局在を変化させることが知られている。コンデンシンも減数分裂期に入ると、第一分裂期にその多くが、rDNA領域からセントロメア領域にその局在が大きく変化することを明らかとした。これにより減数分裂の特徴である第一分裂での相同染色体の分配で、コンデンシンがセントロメアでも役割を果たす事が示唆される。
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