2008 Fiscal Year Annual Research Report
分裂酵母減数分裂における組換え非依存的相同染色体対合機構の解析
Project/Area Number |
19570173
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Research Institution | National Institute of Information and Communications Technology |
Principal Investigator |
丁 大橋 National Institute of Information and Communications Technology, 未来ICT研究センターバイオICTグループ, 主任研究員 (50359080)
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Keywords | 発生・分化 / 分子生物学 / 遺伝学 / Non-Coding RNA / 染色体 / 減数分裂 / 細胞生物学 / 相同染色体の対合 |
Research Abstract |
本研究は、相同染色体の相互認識機構の解明を目指し、分裂酵母減数分裂期における相同組換え非依存的相同染色体の対合機構の同定・解析を目的としている。昨生度において、sme2遺伝子座における対合活性の解析を進め、sme2遺伝子座のコードするmeiRNAの発現が直接に対合に貢献していることを明らかにした。今年度ではsme2 RNA(meiRNA)の3'側intergenic領域が対合活性に直接貢献することを明らかにした。具体的には、1、sme2の3'側intergenic領域を削ると、sme2の減数分裂における機能が維持されるにもかかわらず、対合活性が著しく減少し、Mei2ドットも分散した。2、sme2の3'側intergenic領域を含まないDNA断片をゲノム上他の場所に挿入しても対合活性を促進できなかった。3、リアルタイムPCRおよび3'-RACEの結果、sme2の転写産物は文献で記述されている短い断片のほか、長い転写産物も存在しており、その転写産物こそ対合活性に必要とされることが明らかになった。4、meiRNAで促進される対合機構はテロメアクラスターの形成に依存する。5、sme2ローカス附近の相同組換え率sme2依存的に高く、高い対合活性が高い相同組換えを誘導できることが分かった。以上の結果から、相同染色体対合に直接に寄与する長いmeiRNAが決定され、減数分裂期特異的に発現されるNon-Coding RNAが相同染色体の認識に寄与するという新規なメカニズムが存在することを示唆した。今後、これまでの結果を論文にまとめると共に、meiRNAが対合促進の分子機構をさらに解析し進める予定である。
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