2007 Fiscal Year Annual Research Report
細胞膜損傷を契機とした微小管配向再構築における微小管プラス端集積因子の役割の解析
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19570175
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Research Institution | St.Marianna University School of Medicine |
Principal Investigator |
東郷 建 St.Marianna University School of Medicine, 医学部, 講師 (40334247)
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Keywords | 膜修復 / 微小管 / 微小管プラス端集積因子 / adenomatous polyposis coli / カルシウム / CaMキナーゼ |
Research Abstract |
細胞膜損傷は、物理的負荷のかかる動物組織において一般に観察される。これまでの研究から、細胞膜損傷は小胞輸送およびexocytosisを誘起すること、このexocytosisが膜損傷の修復に必須であることを見出してきた。更に、細胞膜損傷後に微小管の配向に変動がみられ、微小管プラス端が細胞膜損傷部位に伸長することが確認された。そこで今年度は、微小管配向を制御すると一般に考えられている微小管プラス端集積因子(+TIPs)のうち、どの因子がどのようなシグナルを介して膜損傷後の微小管配向の制御に関わっているかを検討検討することを計画した。 その結果、以下のことを見いだした。 1. +TIPsとして知られるもののうち、p150^<Glued>、APC(adenomatous polyposis coli)、CLASP1、CLASP2の細胞膜損傷後の挙動を解析したところ、APCのみが細胞膜損傷を契機として細胞内局在を変動させることが明らかとなった。 2. このAPCの局在変動には膜損傷箇所からのCa^<2+>流入およびCaMキナーゼII活性が必要であった。 3. 細胞のコンフルエントなモノレイヤーに損傷を与えると、損傷近傍の細胞は細胞膜損傷を受けていた。そこで、CaMキナーゼII活性を阻害し、膜損傷後のAPCの局在変動を阻害した条件で損傷を与えたところ、モノレイヤーに与えた損傷の修復が大幅に遅れた。 以上のことから、細胞膜損傷箇所からのCa^<2+>流入、およびCaMキナーゼIIの活性化によるAPCのドラスティックな局在変動が、微小管配向の変動の促進に重要であることが示唆された。
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