2007 Fiscal Year Annual Research Report
Itm2フミリー膜タンパク質のエンドソームにおける能と痴呆症への関与
Project/Area Number |
19570178
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
駒田 雅之 Tokyo Institute of Technology, 大学院・生命理工学研究科, 准教授 (10225568)
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Keywords | 細胞・組織 / 神経科学 / 蛋白質 / 痴呆 / 脳神経疾患 |
Research Abstract |
Itm2タンパク質は、初期エンドソームにおいてユビキチン化されたタンパク質を選別するHrs-STAM複合体と相互作用する一方で、その主な細胞内局在部位は後期エンドソームである。初期エンドソームでHrs-STAM複合体に選別されたユビキチン化タンパク質はその後、後期エンドソームにおいてESCRT-IIIというタンパク質複合体のはたらきにより、リソソームへの輸送経路に入っていく。 酵母two-hybrid法を用い、これまでにHrs-STAM複合体と相互作用することが知られていた脱ユビキチン化酵素UBPYがESCRT-IIIの構成タンパク質CHMP4と結合することを見出した。CHMP4を過剰発現させた細胞では、後期エンドソームの肥大化とそこへのユビキチン化タンパク質の異常蓄積が見られ、また上皮細胞増殖因子EGFで刺激した細胞におけるEGF受容体のユビキチン化レベルの上昇が観察された。そこで、CHMP4がUBPYの脱ユビキチン化酵素活性を阻害するかどうかをin vitroの実験により検討した。精製したUBPYのポリユビキチン鎖に対する切断活性は、精製CHMP4を添加することによって強く阻害された。しかし、UBPYのN末端領域に存在するMITドメインを欠失させた変異体の酵素活性は、CHMP4によって阻害されなかった。 以上の結果から、UBPYはMITドメインを介したESCRT-IIIとの相互作用により、後期エンドソーム上で酵素活性の抑制をうけることが示唆された。この活性阻害の意義の解明が今後の課題である。
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