2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19570189
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Research Institution | National Institute for Basic Biology |
Principal Investigator |
鈴木 邦律 Tokyo Institute of Technology, 統合研究院, 特任助教 (20373194)
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Keywords | オートファジー / オートファゴソーム / ATG遺伝子 / アミノペプチダーゼ1 / タンパク質分解 / 出芽酵母 / プロテオーム / オルガネラ |
Research Abstract |
オートファジーの中心を担うオートファゴソーム(以下AP)という細胞内小器官が発見されてから今日まで,APを単離してタンパク質組成や脂質組成を分析しようとする様々な試みがなされてきた.しかし,これまでは細胞破砕液中のAPの安定性を検証する方法が限られていたことから,明確な結果は得られてこなかった.報告者は,昨年度までの研究を通じて,(1)細胞破砕液中では,APは浸透圧の低下に敏感に反応し,崩壊すること,(2)細胞破砕液中でAPを形態的に検出するには,積荷タンパク質であるApe1の過剰発現が必須であること,(3)GFP-Ape1を蛍光顕微鏡観察することによってAPの存在をモニターできること,(4)これらのモニタリング法を利用し,密度勾配遠心法を用いてAPを濃縮した画分が得られること,(5)ショットガンプロテオミクスにより,AP内部に取り込まれるタンパク質を網羅的に同定できることを示してきた(すべて未発表データ). 今年度はプロテオミクスのデータを分析することにより,AP内部に選択的に積み込まれるタンパク質の候補を数十個同定した.近年報告のあったリボソームを構成するタンパク質や,かつて我々のグループが同定したAld6などが候補に挙がっている.リボソームやAld6がAPに選択的に取り込まれる機構は未知だったので,リボソームとAld6の分解を指標に細胞質タンパク質がAP内部に選択的に取り込まれる分子機構を解析し,それに関わっているタンパク質を同定した.本年度はその因子が他の細胞質タンパク質にも共通に必要であるかどうかを確認し,その分子機構に迫ることを目標とする.
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