2008 Fiscal Year Annual Research Report
小分子阻害剤によるタンパク質間相互作用の細胞周期進行における役割の解析
Project/Area Number |
19570193
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Research Institution | The Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
渡邉 信元 The Institute of Physical and Chemical Research, 化合物バンク評価研究チーム, 先任研究員 (90221689)
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Keywords | 細胞周期 / Plk1 / PBD / タンパク質リン酸化 / タンパク質相互作用 |
Research Abstract |
ポロ関連キナーゼ1(Polo Like Kinase 1;Plk1)は、ショウジョウバエの細胞分裂期に異常な紡錘体形成を引き起こす変異の原因遺伝子POLOの、ほ乳類での類縁遺伝子のひとつである。siRNA実験などにより、Plk1は分裂開始、中心体の成熟、姉妹染色体の分離、中期染色体整列、細胞質分裂など細胞分裂の様々な段階で重要な役割を有することが明らかにされている。Plk1タンパク質はN端側にキナーゼドメイン、C端側にポロ関連キナーゼ群に保存されたポロボックスドメイン(PBD)を持つ。最近、PBDがリン酸化タンパク質に配列特異的に結合する領域であることが明らかにされ、PBDに結合する細胞分裂期に重要な因子も明らかにされてきている。 我々はPBD依存結合を化学生物学的に解析する目的で、蛍光タンパク質標識PBDとその標的リン酸化ペプチドの結合を蛍光プレートリーダーで定量する系を構築し、PBD依存結合を阻害する小分子を数千化合物からなる化合物ライブラリーから探索した。もっとも結合を阻害する活性をもつことが明らかになった小分子であるpurpurogallinは、試験管内でPBDと標的タンパク質(Wee1)の結合を1μMでほぼ完全に阻害した。この物質をHeLa細胞に投与すると、分裂開始がやや遅延するのみならず、分裂中期における染色体の整列が速やかに起こらないことによって、細胞の紡錘体チェックポイント経路が活性化され、細胞分裂期からの離脱が大きく遅延した。これらの結果から、PBDに依存した結合は、Plk1の細胞分裂における種々の役割の中でも、特に分裂中期における染色体の整列に最も重要な役割を有することが明らかになった。
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Research Products
(14 results)
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[Journal Article] Wee12008
Author(s)
Watanabe, N
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Journal Title
UCSD-Nature Molecule Pages http://www.signaling-gateway.org/molecule/query?afcsid=A002371
Peer Reviewed
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