2007 Fiscal Year Annual Research Report
初期発生における新規膜分子プロトジェニンの役割の解明
Project/Area Number |
19570196
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
渡邉 裕二 Tohoku University, 大学院・生命科学研究科, 助教 (80301042)
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Keywords | 発生 / 原腸陥入 / 中胚葉 / 細胞接着 |
Research Abstract |
原腸陥入は中胚葉と内胚葉を形成する過程での一連の細胞移動プロセスから成る。この際に上胚盤葉の細胞が連続的に陥入するしくみは明らかになっていない。我々はニワトリ胚の初期発生過程においてProtogenin(PRTG)が原腸陥入時に原始線条から移動しながら沿軸中胚葉へと分化する細胞群に強く発現しており、連続的な細胞移動に関与することを見いだした。PRTG抗体を作成してタンパク質の分布を調べると、PRTGタンパク質は陥入細胞の細胞膜上に存在していた。原腸陥入前の上胚盤葉の細胞にPRTGを過剰発現すると、細胞の陥入が遅延し、陥入後も沿軸中胚葉の腹側に凝集することがわかった。培養繊維芽細胞(L-cell)にPRTG遺伝子を導入してaggregation assayを行ったところ、PRTGタンパク質を持つ細胞同士は細胞接着性が高まり、集合しやすい性質を獲得することがわかった。これらのことはPRTGが細胞表面上で接着因子として働き、原腸陥入する細胞間をつないで連続的な動きを可能にしていることを示唆していた。
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