2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19570197
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
井出 宏之 Tohoku University, 大学院・生命科学研究斜, 名誉教授 (70022704)
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Keywords | 四肢の再生 / マウス / 骨形成タンパク / 骨パターン / 繊維芽細胞成長因子 |
Research Abstract |
(1) 有尾両生類の四肢が完全に再生するのに対し、ヒトを含めて哺乳類では指先の再生しか起こらない。これら哺乳類で、再生に関係する能力がどの程度保持されているかを知るために、BMP(骨形成タンパク)等のシグナル分子をマウス四肢切断部に加え、骨が形成されるかどうか、さらに形成された骨は四肢の骨と同じようなパターンを維持しているかを調べた。 (2) マウスは生後2日目を用い、主に前腕部で切断した。シグナル分子はゼラチンゲルにしみこませて投与した。シグナル分子の分泌速度を調整するために、ゼラチンは種々の架橋度のものを作成使用した。 (3) BMPのうち、BMP7, BMP2に骨形成能が見られた。BMP処理後、4日-5日で広い範囲で、軟骨形成(アルシアンブルー陽性)が起こり、さらに軟骨細胞が凝集し、7日目以降に骨化(アリザリンレッド陽性)がはじまった。 (4) 前腕部で切断した場合は、とう骨、尺骨に似た形態の骨が形成され、掌部で切断した場合は、腕骨、掌骨に相当すると考えられる骨が形成されるというように、骨パターンとの関連がみられた。 (5) BMP自体には四肢を先端方向に伸ばす作用はない。繊維芽細胞成長因子FGF8処理により、切断された四肢は先端方向に伸びた。しかし、そのあとのBMP処理では、軟骨/骨形成は先端部でしか見られなかった。
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Research Products
(2 results)