2007 Fiscal Year Annual Research Report
核膜内膜蛋白質によって制御される新規因子群とその機能解析
Project/Area Number |
19570199
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Research Institution | Akita University |
Principal Investigator |
長田 真一 Akita University, 大学院・医学系研究科, 特別主任研究員 (00244484)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石村 昭彦 金沢大学, がん研究所, 助教 (80375261)
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Keywords | 発生・分化 / シグナル伝達 / 発現調節 / 細胞・組織 / マイクロアレイ |
Research Abstract |
本研究は、核膜内膜蛋白質のひとつMAN1の機能を核膜の構造蛋白質としてではなく、「シグナルの制御因子」という観点から解析することを目的とする。19年度は、Man1欠損胚(Man1^<△/△>)において高頻度に心臓の形態異常が現れるメカニズムについて調べた。心臓の形態異常は体軸の左右非対称性の異常を伴うことが多いので、Man1欠損胚における左右軸の形成過程を解析した結果、以下のことが判明した。 1)Man1欠損胚では、左側特異的に発現するNodal,Lefty1,Lefty2,Pitx2が、その左右非対称な発現パターンを失い、左右両側で強く発現する。 2)これまでに報告された左右非対称性の異常を示すマウス変異体の多くは、midline barrierとして働くLefty1の発現の消失が見られるのに対し、Man1欠損胚ではLefty1の発現をはじめ、正中部(midline)の構造は保たれているのにもかかわらず、左右非対称性の異常を示す。 3)Nodalが左側板中胚葉(lateral plate mesoderm)に発現するためには、Nodalがまず結節(node)に発現することが必要であり、Nodalの結節での発現を失くした変異体(Nodal^<neo/neo>では、左側板中胚葉でのNodalの発現は消失する。しかし、このNodal^<neo/neo>とMan1^<△/△>のダブル変異胚(Man1^<△/△>Nodal^<neo/neo>ではNodalの左側板中胚葉での発現は消失しなかった。 以上の結果から、MAN1が結節からのシグナルとは独立に、Nodal経路のシグナル制御因子として左右非対称性の形成に関わることが明らかになった。
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