2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19570200
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
黒川 大輔 The University of Tokyo, 大学院・理学研究科・理学系, 助教 (40342779)
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Keywords | 発生進化 / 転写調節 / Otx遺伝子 / 頭部形成 / 遺伝子発現 |
Research Abstract |
有顎脊椎動物の頭部発生に於いて重要な働きを持つOtx遺伝子群が、有顎脊椎動物の姉妹群である顎を持だない円口類の頭部発生に於いて、どのような発現パターンを示すのか、また、その発現を司る転写調節領域を特定する為に、 1、日本産ヤツメウナギからOtxA,OtxB,OtxC遺伝子cDNAの完全長cDNAを得た。この結果、無顎類も有顎脊椎動物同様に3つのOtx関連遺伝子を持つ事を明らかにした。これら3つの遺伝子の胚発生に於ける時空間的な発現パターンをwhole mout In situハイブリダイゼーション法により解析した。特に、新規にクローニングしたOtxC遺伝子については全発生ステージに渡って解析をおこなった。合わせてOtxA,OtxB遺伝子でこれまで解析されていなかった胞胚期〜原腸胚期についても解析を行い、いずれの遺伝子も原口背側部のオーガナイザーと思われる領域に発現している事、OtxCに関しては後期発生において北米産のヤツメウナギで報告されているパターンと類似する発現を示す事を明らかにした。 2、1項に述べた発現を与える転写調節領域を同定する為にヤツメウナギBAC(大腸菌人口染色体)ライブラリーより、各遺伝子を含むゲノム断片のスクリーニングを行った結果、OtxA,OtxCを含むクローンの単離に成功した。現在,OtxA遺伝子座を含むBACクローンのショットガンライブラリーを作成し、その塩基配列の決定を行っている。今後、決定された塩基配列を、他のゲノムが明らかになっている有顎脊椎動物のOtx遺伝子座と比較し、非翻訳領域の保存性について検討を行う予定である。
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