2008 Fiscal Year Annual Research Report
肝臓変異マウスを用いた門脈を起点とする胆管細胞分化の決定と形態形成機構の解明
Project/Area Number |
19570203
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Research Institution | Shizuoka University |
Principal Investigator |
塩尻 信義 Shizuoka University, 理学部, 教授 (70162568)
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Keywords | 形態形成 / 肝臓 / 胆管 / チメラ / 肝特異的転写因子 |
Research Abstract |
マウス肝臓における胆管形成機構を明らかにするため、肝臓変異マウスを用いて、次の研究を実施した。(1)肝特異転写因子の一つであるC/EBPαの遺伝子欠失マウス肝臓では、肝細胞の成熟化がおこらないが、同時に胆管形態形成も異常であるため、肝細胞の成熟化と胆管形態形成がカップルしているのではないかと考えた。これを証明するため、C/EBP α遺伝子座について野生型-ヌル型マウス間でキメラマウスを作製し、その肝臓構築を解析した。例数は少ないが、肝細胞の成熟化と胆管形態形成がカップルしているという結果を得た。また正常な胆管形態形成には、E-cadherinやEpCAMなどの接着分子の発現変化が大きく関わっていることを示唆する成果も得た。(2)inv変異の責任遺伝子であるinversinの発現を肝臓の発生過程で再検討したところ、肝臓では実質部に顆粒状のシグナルを認めた。これは一次繊毛の基部付近に発現するという報告と一致している。(3)C/EBPα遺伝子欠失マウス及び野生型マウスで、Notchシグナル系の遺伝子発現をRT-PCR法により調べたところ、ヌル型胎児肝臓で、Jaggedl、Notch2に加え、Notchl、3、及びHesl遺伝子の発現上昇が認められた。また、肝芽細胞の培養系におけるこれらの遺伝子の働きを調べるため、温度感応性ゲルを用いた肝芽細胞の培養系を確立した。
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