2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19570209
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
田中 聡 Kumamoto University, 発生医学研究センター, 助教 (10321944)
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Keywords | 生殖細胞 / 移動 / Ifitm1遺伝子 / Ifitm3遺伝子 / マウス / 初期胚 / 始原生殖細胞 / 培養マウス胚 |
Research Abstract |
マウス始原生殖細胞の移動過程において、生殖細胞とその周囲の細胞でダイナミックな発現様式を示すIfitmファミリー遺伝子群の発現の組み合わせによるPGCの局在を制御機構に着目して解析を進めた。複数の方法でおこなった全胚培養系でのIfitm1の異所的発現では、Ifitm1がPGCに対して排他的に働く結果が得られた。また、トランスジェニックマウスを用いてIfitm1の強制発現をおこなった予備的な実験からも、同様なPGCの局在変化が観察された。また、我々が平行して解析を進めている始原生殖細胞の移動に異常が観察されるDullardノックアウトマウス及びLhx1コンディショナルノックアウトマウスにおいても、Ifitm3の生殖細胞での発現は認められたが、周囲の体細胞でのIfitm1の発現異常が観察された。近年報告されたIfitm3ノックアウトマウスの解析からも(Lange et al., Mol.Cell Biol.,2008)、Ifitm3単独では、PGCの移動の制御に必須な働きは果たしていないと考えられる。一方、Ifitm1のPGCの局在に対する影響は、Ifitm3との共発現により打ち消されることから、Ifitmファミリー遺伝子群の発現の組み合わせが重要と考えられる。先のグループによるIfitm1及びIfitm2,Ifitm3,Ifitm5,Ifitm6を欠損したマウスの解析からPGC局在異常は報告されていないが、他のファミリー遺伝子群の欠損により影響が打ち消された可能性も考えられる。そこで、siRNAを用いた培養マウス胚でのノックダウン実験の系を構築して、中胚葉でのIfitm1のノックダウンを行った結果、始原生殖細胞は移動せずに中胚葉に留まっていた。今後、さらにIfitm1単独ノックアウトマウスの解析をおこなうことより、この点を明らかにできると考えられる。
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Research Products
(4 results)