2007 Fiscal Year Annual Research Report
トランスジェニックメダカを用いた性決定遺伝子DMYの機能解析
Project/Area Number |
19570214
|
Research Institution | Utsunomiya University |
Principal Investigator |
松田 勝 Utsunomiya University, バイオサイエンス教育研究センター, 准教授 (20414013)
|
Keywords | メダカ / 生殖腺性分化 / 性決定 / DMY遺伝子 / DMRT1遺伝子 |
Research Abstract |
多くの脊椎動物では、授精の瞬間に決定された遺伝的な性に従って、未分化生殖腺がメスでは卵巣に、オスでは精巣に分化することで、個体の性は決定される。しかし、現在までのところ分かっている性決定遺伝子は、哺乳類のSRY/SryとメダカのDMYのみである。本研究は、申請者自ら同定したメダカの性決定遺伝子DMYが発生過程のどの時期に働くことで、未分化生殖腺をオスの方向(精巣)へ向かわせるのかを明らかとすることを目的としている。具体的には、cre組換酵素の誘導によりDMY発現を誘導もしくは停止できる実験系を構築しようとするものである。このためには、まず3つのコンストラクトを作成する必要がある。(1)Cre組換酵素の発現が誘導できるンストラクト、(2)DMYトランスジェニックコンストラクトを細工してloxP配列を挿入し、loxPに挟まれた部分が抜けた場合にDMY遺伝子が機能しなくなるコンストラクト、具体的には第2イントロンと第3イントロンにloxP配列を挿入することにより、Cre組換酵素の作用で第3エクソンが抜けるDMY-offコンストラクト、(3)同様に第2イントロンにloxPに挟まれた、終止コドンを含む第3エクソンを挿入することでDMYが機能しない状態にし、Cre組換酵素の作用でloxPに挟まれた領域が抜けることでDMY機能が復活するDMY-onコンストラクト、である。本年度はこれらのコンストラクト作成を試みた。DMYの遺伝子領域、発現制御領域を加えたゲノム領域(約120kb)に加えで、生殖細胞特異的緑色蛍光タンパク質を発現する(生殖細胞特異的な遺伝子の発現制御領域に緑色蛍光タンパク質遺伝子をつないだ)コンストラクトと、眼の水晶体特異的に赤色蛍光タンパク質を発現する(水晶体特異的な遺伝子の発現制御領域に赤色蛍光タンパク質遺伝子をつないだ)コンストラクトとを連結とたことで、次世代に外来遺伝子が遺伝したことを簡単に確認できた。
|
Research Products
(7 results)