2008 Fiscal Year Annual Research Report
トランスジェニックメダカを用いた性決定遺伝子DMYの機能解析
Project/Area Number |
19570214
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Research Institution | Utsunomiya University |
Principal Investigator |
松田 勝 Utsunomiya University, バイオサイエンス教育研究センター, 准教授 (20414013)
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Keywords | メダカ / 生殖腺性分化 / 性決定 / DMY遣伝子 / DMRT1遣伝子 |
Research Abstract |
多くの脊椎動物では,授精の瞬間に決定された遺伝的な性に従って,未分化生殖腺がメスでは卵巣に,オスでは精巣に分化することで,個体の性は決定される。しかし,現在までのところ分かっている性決定遺伝子は,哺乳類のSRY/SryとメダカのDMYのみである。本研究は,メダカの性決定遺伝子DMYが発生過程のどの時期に働くことで,未分化生殖腺をオスの方向(精巣)へ向かわせるのかを明らかとすることを目的とした。具体的には,cre組換酵素の誘導によりDMY発現を誘導もしくは停止できるトランスジェニックメダカを作出しようとするものである。誘導発現系の構築のためにGeneSwitchシステム(invitrogen社)を使って,Cre組換酵素の発現が誘導できるンストラクトを構築し,顕微注入法によりトランスジェニックメダカの作出を試みた。また,DMYトランスジェニックコンストラクトを細工して10xP配列を挿入し,10xPに挟まれた部分が抜けた場合にDMY遣伝子が機能しなくなるコンストラクト,具体的には第2イントロンと第2イントロンに10xP配列を挿入することにより,Cre組換酵素の作用で第3エクソンが抜けるDMY-offコンストラクトを構築し,トランスジェニックメダカを作出した。このコンストラクトには生殖細胞特異的緑色蛍光タンパク質を発現する(生殖細胞特異的な遺伝子の発現制御領域に緑色蛍光タンパク質遺伝子をつないだ)コンストラクトと,眼の水晶体特異的に赤色蛍光タンパク質を発現ずる(水晶体特異的な遺伝子の発現制御領域に赤色蛍光タンパク質遺伝子をつないだ)コンストラクトとを連結したことで,次世代に外来遺伝子が遺伝したことを簡単に確認できる様にした。これらの結果,cre組換酵素はメダカ生体内で機能する一方,Mifepristoneによる遺伝子発現制御はメダカ生体内では困難であることが分かった。
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