2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19570220
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Research Institution | Kochi University |
Principal Investigator |
藤原 滋樹 Kochi University, 理学部, 教授 (40229068)
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Keywords | 遺伝子 / 進化 / 発生・分化 / 脊索動物 / レチノイン酸 |
Research Abstract |
(1)レチノイン酸受容体、合成酵素、分解酵素は、この研究を計画した時点では脊索動物からのみ報告されていた。研究開始後に、これらの遺伝子が脊索動物以外の新口動物(ウニやギボシムシ)からも発見されたが、レチノイン酸が胚発生に深く関わるという証拠は依然として脊索動物からしか得られていない。その中で、ホヤにおいては、外から投与したレチノイン酸が発生に大きな影響を及ぼすものの、内在レチノイン酸の必要性を直接証明した研究はない。本研究では、脊索動物の形態進化におけるレチノイン酸の必要性を証明することを試みている。今年度は、カタユウレイボヤHox1遺伝子の表皮エンハンサー中に見出されたレチノイン酸応答エレメント様の配列に、カタユウレイボヤのRAR/RXRヘテロ二量体が結合することを実験的に証明した。この配列に変異を入れると表皮における発現が消失することと、変異型の配列にはRAR/RXRが結合しないことも突き止めた。 (2)nodal遺伝子は新口動物からのみ報告されている。脊椎動物においては内中胚葉の誘導などさまざまな役割が報告されているが、本研究では、Nodalを過剰発現させたり、Nodalの拮抗因子であるLeftyを強制発現させたりすることによって、神経管形成が異常になることを発見した。また、ZicLとcdx遺伝子をNodalの新規標的遺伝子として同定した。ドミナントネガティブ型Cdxを強制発現させると、Leftyの強制発現と同様の神経管形成異常が見られたので、CdxがNodalの下流において重要な形態形成因子であることがわかった。(論文リスト#2) (3)ホヤ胚において短鎖ヘアピン型RNA(shRNA)を発現させる方法を確立し、内在性のチロシナーゼ遺伝子や、外部から導入したEGFP遺伝子などの機能阻害に成功した。(論文リスト#3)
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