2008 Fiscal Year Annual Research Report
ゲノム情報を活用した人類学研究の新ストラテジー構築
Project/Area Number |
19570226
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
太田 博樹 The University of Tokyo, 大学院・新領域創成科学研究科, 助教 (40401228)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
尾田 正二 東京大学, 大学院・新領域創成科学研究科, 講師 (50266714)
河村 正二 東京大学, 大学院・新領域創成科学研究科, 准教授 (40282727)
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Keywords | 分子人類学 / ゲノム多様性 / SNP / HapMap / モデル生物 / 適応進化 / 地域差 / メダカ |
Research Abstract |
霊長目ADH遺伝子クラスターの比較ゲノム解析 霊長類でADH遺伝子がどのように遺伝子重複し、そのクラスターが進化してきたかを明らかにすることを目的とし、旧世界ザル3種、新世界ザル2種、原猿2種とコウモリのADH遺伝子クラスター全体(ヒトで約380kb)をカバーするBACクローンのショットガン塩基配列決定を行う。BAC-end塩基配列決定およびコロニーPCRによりアカゲザル、ミドリザル、コモンマーモセット、ヨザル、ワオキツネザル、グレイマウスレムール、コウモリのオーバーラップ・クローンをピックアップした。現在までにバブーンのADH遺伝子クラスター全長の決定が完了し、さらにアカゲザル、ミドリザル、ワオキツネザルの各BACクローンのドラフト・アセンブリーが完了した。 ヒト集団遺伝学のモデル生物としての野生メダカ地域集団解析 ヒトで集団間多様度の高い遺伝子について、メダカをモデル生物として生体を用いた機能解析を行なうために、野生メダカ地域集団における遺伝的多様性を明らかにする必要がある(Matsumoto et al.in press)。そこで2つのサンプリング方法で得られた多様性からニホンメダカの集団構造の解析を行った。1つ目のサンプリング方法は、複数地域から1個体ずつサンプリングするgrid-based sampling、2つ目は生殖集団から複数個体サンプリングするdeme-based sampling。これらをミトコンドリアゲノムのD-loop領域およびcytochromeb遺伝子領域の塩基配列決定を行うことにより分析した。その結果、野生メダカ地域集団はある程度の集団内多様性を持ちながら互いに遺伝的分化が進んでいることがわかった。この結果から、本研究において、SNPスクリーニング段階ではgrid-based samplingが、適応進化を検出する段階ではdeme-based samplingが必要であることが明らかになった(Katsumura et al.in press)。
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Research Products
(11 results)