2007 Fiscal Year Annual Research Report
ミオシンファイブの歩行機構:足首の角度制御の仕組み
Project/Area Number |
19579004
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Research Category |
Grant-in-Aid for Special Purposes
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
城口 克之 Waseda University, 理工学術院, 講師 (00454059)
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Keywords | 運動 / 1分子計測 / ミオシン / 角度計測 / アクチン / 構造変化 / 分子モーター / 1分子生理学 |
Research Abstract |
ミオシンVは二本の‘足'をもつリニアモーター蛋白質であり,アクチン線維から解離した後足をアクチン線維に結合している足の前方に着地させることにより,一見人間のように‘歩く'と考えられている.この前方着地を保証するには,アクチン線維から解離した足の‘つま先'が下がる(足の裏が前方でアクチン線維に結合できる向きになる)ように‘足首'の角度が制御されていることが重要だと考えられるが,その仕組みを明らかにしようとしている. 光学顕微鏡を用いてミオシンV-分子の足首角度変化の連続観察を試みている.足首の角度変化を見るには,足(足首より下)または‘脚'のどちらか一方を基盤に固定し,他方に角度を検出できるプローブを結合させることが必要である.足にタグを挿入した片足ミオシンVを米国Yale大学De La Cruz研究室に遺伝子工学を用いて作製していただき,活性があることを確認した.また,ミオシンVの脚に結合している軽鎖にもタグを挿入し,この軽鎖を上記のタグつきミオシンVの脚に結合させた.そして,チャンバー内で,足,または脚の一方を基盤に固定し,他方に向きがわかるビーズを結合させることができた. 角度変化がヌクレオチドに依存していることを明確に示すため,UVフラッシュシステムを顕微鏡に導入し,Caged ATPを用いて瞬間的にATP濃度を上昇させることができるようにした.ミオシンVがATP結合によりアクチンから解離する性質を利用して,Caged ATPとUVフラッシュシステムが機能していることを確認した. 数例であるが,UVをフラッシュした瞬間に角度変化するビーズが観察できた.今後はこの動きが確かにミオシンVの動きであることの確認をするとともに,必要であれば基盤への固定法やプローブの結合法をさらに改良し,観察例を増やして動きの特性を解明する.
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