2007 Fiscal Year Annual Research Report
緑色光合成細菌のアンテナ複合体クロロゾームの構造最適化
Project/Area Number |
19579005
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Research Category |
Grant-in-Aid for Special Purposes
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Research Institution | Kwansei Gakuin University |
Principal Investigator |
柿谷 吉則 Kwansei Gakuin University, 理工学研究科, 博士研究員 (20454712)
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Keywords | 光合成 / クロロゾーム / 固体NMR分光 / 電子吸収 / 円偏光二色性 / 粉末X線回折 / 構造解析 |
Research Abstract |
プロジェクトは順調に進んでいる。H19年度の研究実施計画に照らし、研究成果をまとめる。 1.^<25>Mg-NMR ^<25>Mgラベル化していないサンプルで固体NMRスペクトルが観測できるかどうか、この点がH19年度の最重要課題であった。当初からラベル化,積算時間,サンプル量の懸念があったが、スペクトルの測定に成功したのではないかと現在のところ考えている。高価な^<25>Mgラベル化が不要なこと、サンプル量に関してはサンプル管にフルに詰めているのでこれ以上の改善は見込めないものの、より磁場の大きな装置で測定する有用性が認められ、これによるS/Nおよび積算時間の大幅な改善が期待される。H20年度には大きな磁場(600→930MHz)で測定する予定がある。 またスペクトル帰属の参考資料(単量体・二量体)として、固体ではなく溶液での^<25>Mg-NMRスペクトルの測定も試みたが、これは失敗に終わった。Mg核のスピンは-5/2なので、緩和(線幅)は四極子相互作用で決まる。イオンのように対称性の高い場合は簡単に信号が観測されるのだが、何らかの構造を持っていると広幅化してしまい信号が現れなかったと考えられる。この場合は固体の方が有効であり、測定が待たれる。 2.電子吸収・CD分光 ラメラ構造計算のためのプログラム改変に取り掛かってはいるが、まだ完成していない。 3.粉末X線回折 小角側のデータを取得し、解析の準備を整えている段階である。 4.^<13>C-NMR用再構成クロロゾームの調製 ^<13>Cラベル化した菌を培養してクロロゾームを調製し、S/Nの良い固体^<13>C-NMRスペクトルを測定した。以前我々が開発した分子間相関を抽出する方法を用いて解析を行い、クロロゾームが二量体を基本とする構造であることが再確認出来た。詳細なスペクトル解析がH20年度の課題である。 また上記に加え、クロロゾームに含まれるカロテノイドに関する研究も行った。
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