2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19580001
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
阿部 純 Hokkaido University, 大学院・農学研究院, 准教授 (00192998)
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Keywords | 育種 / ダイズ / 硬実性 / 遺伝子 / 野生種 / 栽培化関連形質 |
Research Abstract |
本年度は、硬実性QTLの甲でも最も効果の大きいD1b連鎖群上の硬実性QTLについて、公開されたダイズゲノムシークエンス情報を基にその座乗領域を特定し、その近傍にあるキシラン生成、リグニン生成、キチンのポリマー化などに関わる候補遺伝子を探索した。その中に、リグニンならびに縮合型タンニン生成に関与するラッカーゼ遺伝子の部分配列を見出した。その遺伝子について、遺伝子の5'領域ならびに第二エキソンを覆う約3kbについて、組み換え近郊系統の親系統であるダイズ系統と野生ダイズ系統の塩基配列を決定した。 この遺伝子には他に3個のパラログが存在し、ゲノムシークエンス情報を基に各パラログ特有のプライマーを設計して、硬実性QTLに関する準同質遺伝子系統から採取された登熟種子の種皮からRNAを抽出し、RT-PCRにより発現解析を行った。その結果、これらのパラログの発現は検出されたが、着目した遺伝子の発現は硬実性と吸水性のいずれの準同質遺伝子系統にも認められなかった。 表現型の差異に関与すると予想されるDNA多型について、複数のダイズおよび野生ダイズに関してPCR法により多型解析を行ったところ、青森より収集された野生ダイズ系統は栽培ダイズと同じ多型を示した。この系統の硬実性QTLを栽培品種に導入した系統においても上記QTLと同じ位置に硬実性QTLを示すことから、硬実性QTLの候補にはラッカーゼ遺伝子以外の遺伝的要因の関与が示唆された。
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Research Products
(3 results)