2007 Fiscal Year Annual Research Report
食用きのこ類の胞子欠損性変異に関わる遺伝子の同定とその育種的利用に関する研究
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19580004
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Research Institution | Tottori University |
Principal Investigator |
松本 晃幸 Tottori University, 農学部, 寄附研究部門教員 (60132825)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
村上 重幸 財団法人日本きのこセンター, 菌蕈研究所, 上席主任研究員 (00072794)
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Keywords | 食用担子菌類 / 胞子欠損性変異 / 連鎖解析 / AFLPマーカー / 分子育種 / ウスヒラタケ |
Research Abstract |
食用きのこ類の生産過程では、子実体から飛散する大量の胞子が生産現場およびその周辺において人の健康や環境に極めて深刻な悪影響を及ぼし問題となっている。本課題はこの問題の有効な解決策となる無胞子性きのこの育種に向けて、優秀な食用栽培きのこのひとつ、ウスヒラタケ(Pleurotuspulmonarius)の胞子欠損性変異体を材料として、当該変異に関わる遺伝子を解明するとともに、変異と栽培形質との関係に関する遺伝・育種学的情報の取得を目的とする。本年度は(1)DNAマーカーによる遺伝連鎖地図を作製し、当該変異座乗連鎖群および座乗部位の絞り込みを行った。また、(2)栽培試験による野生株の形質調査を行い、育種学的検討に供試する株のスクリーニングを行った。その結果、(1)AFLP(Amplified Fragment Length Polymorphism)解析により得られた311個のマーカーに胞子欠損性変異形質を含めて連鎖解析を行い、12連鎖群なる遺伝連鎖地図を作製した。連鎖地図の全長は1010.3cM、各連鎖群の長さは最小53.4(LG12)〜最大117.2(LG1)cM、平均マーカー間距離5.06cMであった。胞子欠損性変異形質は40個のAFLPマーカーからなるLG2に座乗すると推定された。さらに、バルク解析によって変異形質との地図上の距離が0cMとなる複数の近接マーカーを得た。また、変異形質座乗染色体の特定と同DNAを分離するため、パルスフィールド電気泳動による分離を行ない、予備的な泳動条件を得た。(2)17株の国内外より採集された野生株について栽培調査を行い、1株(TMIC-30087)を次年度以降の育種学的な検討に供試できる株として選抜した。
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