2007 Fiscal Year Annual Research Report
ダッチアイリスにおけるアントシアニンとフラボンのコーピグメンテーション機構の解明
Project/Area Number |
19580005
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Research Institution | University of Miyazaki |
Principal Investigator |
藪谷 勤 University of Miyazaki, 農学部, 教授 (70112414)
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Keywords | ダッチアイリス / フラバノン3-水酸化酵素遺伝子 / 異種発現解析 / 基質特異性 / ペチュニア / 形質転換 / 花色分析 / アントシアニン |
Research Abstract |
ダッチアイリスのcDNAライブラリーからキンギョソウのフラバノン3-水酸化酵素(F3H)をコードするcDNAをプローブにしたスクリーニングにより、3つのcDNAクローン(IhF3H1〜3)が得られた。これらのcDNAクローンについて大腸菌による異種発現解析を行ったところ、F3Hの主要な基質であるナリンゲニンを用いた酵素アッセイにより、IhF3H1、 Ih3H2およびIhF3H3のすべてがフラバノンからジヒドロフラボノールへの反応を触媒する活性を有することが示された。また、活性が高かったIhF3H1およびIhF3H2を用いて種々のフラバノンに対する基質特異性を分析したところ、これらの酵素は分析したフラバノンのほぼすべてに活性を示したが、そのA環7位のO-メチル化がF3H活性を大幅に減少させる傾向が認められた。一方、ダッチアイリスのフラボン合成酵素遺伝子(FNS)についてもホモログ断片をプローブにしたスクリーニングを試みたが、そのcDNA全長を獲得するまでには至らなかった。 次に、獲得したF3H(IhF3H1)遺伝子を導入したペチュニア品種「ブリエッタ・バイオレット」形質転換体の獲得を試みた。F3Hの導入にはアグロバクテリウム菌系EHA105/pBIF3Hを使用した。その結果、EHA105/pBIF3Hを用いて得られた再生植物体9個体のすべてにおいてF3H遺伝子の導入をPCR分析により確認した。獲得した形質転換体における花の形態や色について調査したところ、F3H形質転換体の花弁の一部に濃紫のにじみや白い斑点が出現したことを除けば、花の形態や色に関してコントロール(非形質転換体)と顕著な差異は見られなかった。また、色差計による花色分析や花弁含有アントシアニンのHPLC分析を行ったが、形質転換体は、コントロールとの間や個体間に色彩、アントシアニン量およびその成分に関しても明白な差異が認められなかった。
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Research Products
(3 results)