2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19580007
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Research Institution | Kyushu Tokai University |
Principal Investigator |
村田 達郎 Kyushu Tokai University, 農学部, 教授 (80140953)
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Keywords | 育種学 / 日本シバ / Zoysia属 / 耐塩性 / 種間雑種 |
Research Abstract |
Z.sinicaの外部形態を、熊本・韓国・対馬・宮崎から採集した計20系統を用いて調査した。その結果、韓国系統・宮崎系統は草型が小型であるために、匍匐系の系統を育種する場合には優良な母本となることが示された。次に葉耳周辺部および葉表面の綿毛を観察した結果、葉耳周辺の綿毛は全ての系統で観察されたが、葉表面の綿毛は韓国1系統でのみ観察された。さらに、直立茎に対する第2葉の角度を測定したところ、対馬系統が、他の採集地域の系統と有意に異なる事が示された。またZ.sinicaの遺伝的類縁関係を明らかにするため、RAPDおよびSSR分析の結果、RAPDではOPIの2種類、OPSの5種類で再現性が高く鮮明なバンドが得られ、計35の多型バンドが検出された。 次にZ.sinica(9系統)およびZ.matrella(8系統)を交配親として作出された種間雑種個体14系統を対象に3、5、7%濃度の塩水で処理し、2週間後の生存状況によって耐塩性を評価した。塩水処理後に各塩処理濃度区における生存率を比較したところ、Z.sinicaおよびZ.matrellaでは5%処理区から生存率が低下し、7%処理区ではそれぞれ44.4%、33.3%となった。これに対し、これら2種間の交配により得られた雑種は5%処理区で94.9%、7%処理区でも56.4%の生存率を示し、耐塩性の向上が認められた。 さらに、各個体の葉の表裏面における単位面積あたりの塩類腺数を調査した結果、本研究で供試した雑種系統はいずれもZ.sinicaと同様に塩類腺が少なく、日本シバ3種で認められた塩類腺数の増加と耐塩性の関係を見出すことはできなかった。
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Research Products
(1 results)