2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19580007
|
Research Institution | Tokai University |
Principal Investigator |
村田 達郎 Tokai University, 農学部, 教授 (80140953)
|
Keywords | 育種学 / 日本シバ / Zoysia属 / 耐塩性 / 種間雑種 |
Research Abstract |
1.RAPDおよびSSRなどのDNAマーカーを用いた遺伝的類縁関係および地理的分布の解析韓国・九州(対馬(長崎)・天草・水俣(熊本))から採集した20系統のZoysia sinicaを材料とし,RAPDおよびSSRマーカーを用いてクラスター分析を実施した.その結果,対馬集団はいずれの分子マーカーでも特異的なクラススター手段に分類されたのに対し,韓国,熊本採集集団は混在し,地理的分布との関係性は示されなかった. 2.Z.sinicaと日本に自生するZoysia属種との種間雑種の作出: Z.sinicaと日本芝と総称される3種の組合せで交配し,高耐塩性系統の作出を試みた.花粉発芽および花粉管伸長を観察したところ,これらの種における正逆組合せのいずれにおいても交配親和性が示された.その後の種子稔性も確認できており,現在同種子に由来する個体の育成を図っている. 3.耐塩性系統の選抜と種苗特性の調査 これまでに作出した種間雑種系統および交配親を材料とし,NaCl溶液処理に対する耐性並びに耐塩性に関連すると形質とされている塩類腺の分布を調査した.1ヶ月間に渡る0,3,5,7%のNaCl溶液処理後,全ての濃度区で雑種系統における緑色喪失度が小さく,交配親とした種よりも耐塩性が向上していることが明らかとなった.また塩類腺の分布はZ.sinicaに類似していた.各器官におけるNa含有量を比較したところ,雑種の葉におけるNa含有量が低く,雑種系統の耐塩性向上は,葉からの塩排出能に関連していると推測された.
|
Research Products
(2 results)