2007 Fiscal Year Annual Research Report
塩条件下における作物根の細胞死制御と耐塩性との関係
Project/Area Number |
19580015
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
平井 儀彦 Okayama University, 大学院・自然科学研究科, 准教授 (80263622)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
津田 誠 岡山大学, 大学院・自然科学研究科, 教授 (30144231)
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Keywords | 耐塩性 / 作物 / 根 / 細胞死 |
Research Abstract |
イネの耐塩性向上には塩条件下における根の代謝機能の維持が最も重要であると考え,そのメカニズムの解明を目指している.塩ストレス下において,数種作物では,根において,細胞死が起こることが知られているが,このことが耐塩性にどのように影響するかについては,知られていない.そこで,生細胞染色試薬FDAを用い,塩ストレス下のイネの根端の細胞死とNa吸収との関係を検討した.水耕栽培で7葉期まで生育させたイネ品種日本晴を用いて,0,75,125mMの塩処理をし,12日間の根の蛍光輝度の変化を調べた.器官別のNa含有率は,茎葉部では125mMNaCl処理で高く推移したが,根では,75mMで高く推移した.根端の蛍光輝度は塩ストレス下で低下し,125mMでの低下が大きかった.蛍光輝度は,茎葉部Na含有率と高い負の相関関係を示したが,根部Na含有率との相関は認められなかった.つぎに耐塩性程度の異なる5品種を用い,75mMNaCl条件下に6日間置き,同様に根の細胞死とNa含有率を調べた.その結果.根端の蛍光輝度と茎葉部Na含有率には負の相関が認められたが,根部Na含有率との相関は認められなかった.また,根の抗酸化酵素の活性の品種間差を調べたところ,耐塩性の高い品種で,カタラーゼとアスパラギン酸ペルオキシダーゼの活性が高いことが認められた.以上より,根端の細胞死は茎葉部へのNa移行と密接に関係していることが明らかになるとともに,抗酸化酵素活性が細胞死に関与しているものと考えられた.
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