2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19580018
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Research Institution | Tokai University |
Principal Investigator |
松浦 朝奈 Tokai University, 農学部, 准教授 (30299672)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
辻 渉 鳥取大学, 乾燥地研究センター, 助教 (60423258)
村田 浩平 東海大学, 農学部, 准教授 (90279381)
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Keywords | ソバ / 耐塩性 / 木部 / ESEM |
Research Abstract |
世界の乾燥地では塩類集積が深刻な問題となっている.そのような地域でも降雨などにより,塩濃度が低下する時期がある.しかしながら,その時期は一般的に短い.作物の中でもとくに栽培期間の短いソバはこうした土地に適した作物であると考えられるが,ソバの耐塩性機構は不明な点が多い.そこで本研究では,ソバ2種の耐塩性機構をNa+の吸収と蓄積に着目して調べることとした.普通ソバ(Fagopyrum esculentum)2品種(種子島;Tane,階上早生;Hashi)およびダッタンソバ(F.tataricum)2品種(Phapa1,Pontivy)を供試した.種子島とPhapalのストレス感受性指数(SSI)はそれぞれ0.75と0.85であり,階上とPontivyではそれぞれ1.17と1.19であったことから,本実験で用いた4品種の中では前者2品種が後者2品種より耐塩性の強いことが示された.普通ソバでもダッタンソバでも,茎基部の横断面における木部領域と簸部領域のNa+は耐塩性の弱い,葉にNa+を多く蓄積した品種のほうが高かった.本研究では,耐塩性の弱い品種のほうが,Na+を排出(再転流)する傾向にあるが,葉身のNa+蓄積量は多いため,根からのNa+の吸収が重要であると示唆された,以上のことから,耐塩性の強い品種は,根でのNa+の吸収が少ないため,葉身や地上部でのNa+の蓄積が少なく,光合成や葉面成長を維持して個体の成長を大きく低下させないと考えられる.さらに,普通ソバでは浸透調整を高く保つことも有利な形質であると考えられる.また,ダッタンソバでは普通ソバより葉のNa+含有率が少なかったにも関わらず,成長が大きく低下したことから,葉身のナトリウム耐性やNa+の局在性が両種で異なる可能性があると示唆された.
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Research Products
(1 results)