2007 Fiscal Year Annual Research Report
果樹の樹形構築解析システム(CACOAS)を用いた減農薬樹形の探索と解析
Project/Area Number |
19580021
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Research Institution | Yamagata University |
Principal Investigator |
山本 隆儀 Yamagata University, 農学部, 教授 (40007224)
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Keywords | 減農薬 / シミュレーション / 樹形 / セイヨウナシ / 樹冠形 / 葉密度分布 / 果樹 / 薬滴付着 |
Research Abstract |
現行の農薬散布量の5割減を目指す減農薬果樹栽培を実現するためには、植え付け当初から骨格枝配置そのものを一新する減農薬樹形(樹冠形)の開発が必要である。そこで、減農薬樹冠の検索と開発を目的に果樹の樹形構築解析システム(CACOAS)に葉層表面積/葉層体積の値(以下、S-V比)の計算機能を追加した。また、CACOASからの出力の一つ、葉密度分布データを用いた薬滴付着量分布シミュレーションモデルを作成した。5つの樹形群と骨格枝配置の選択肢などを組み合わせて構築した合計154個のセイヨウナシ‘ラ フランス'の樹形を対象に、20年間にわたり、上記2つのシミュレーションを実施した。S-V比シミュレーションの結果、S-V比には、細形主幹形>トレリス誘引>Y字形>開心形≒変則主幹形の高低関係が現れた。よって、葉量を変えない条件下でも、細形主幹形やトレリス誘引仕立てのような樹冠形がスリムな樹形群はノズル方式の場合の減農薬にとって有利であると考えられた。SS方式における薬滴付着量シミュレーションの結果、樹冠外漂流量割合は非常に高く、少なく見積もっても約6割以上であった。過剰付着を是正するために、シミュレーション結果を慣行付着量で基準化したところ、10a当たり散布量の20年間平均値には樹高、樹冠下空間体積および葉密度との間に正の相関が認められ、反対に、東西樹幅、内部無効容積、葉層体積、樹冠体積および樹冠占有土地面積との間に負の相関が認められた。上記の相関関係とともに、154樹形における2種類のシミュレーション結果の序列は減農薬樹形開発のための基礎的資料になる。
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Research Products
(3 results)