2007 Fiscal Year Annual Research Report
忌地現象における根圈微生物相解析と植物生育改善法の確立
Project/Area Number |
19580028
|
Research Institution | Gifu University |
Principal Investigator |
松原 陽一 Gifu University, 応用生物科学部, 准教授 (40301212)
|
Keywords | 忌地現象 / 菌根菌 / アスパラガス / 耐病性 / アレロパシー / フザリウム / PCR-SSCP |
Research Abstract |
園芸植物生産における忌地現象について、国内外で問題となるアスパラガス忌地現象を事例とし、忌地現象発生機構解明として根圏微生物相解析を行うと共に、有用微生物であるAMF(arbuscular菌根菌)による植物生育改善法の検討を行った。**主要アスパラガス産地(北海道,福島,長野,香川,佐賀:5地域20圃場)の忌地圃のアスパラガス生育不良株根におけるフザリウム菌種分布をPCR-SSCP(single-strand conformational polymorphism)法で解析した結果、主に3種[Fusarium oxysporum f.sp.asparagi(Foa),F.proliferatum(Fp),F.solani(Fs)]が検出・同定された。中でもFoaの分布密度が極めて高く、次いでFpであった。この場合、各種の分布密度には国内地域・圃場間差があり、圃場ごとに発病誘導種が異なることが示唆され、栽培年数との関連は確認されなかった。よって、忌地圃では立枯病(Foa)及び株腐病(Fp)が生育不良症状誘導の一因であることが示唆され、忌地対策として両病害に対する防除策を講じる必要があると考えられた。次に、忌地現象における化学的・生物的な生育阻害因子への対策として、AMFを利用した植物生育改善法の検討を行った。その結果、AMF(4菌株)処理したアスパラガス(‘Welcome')では、アレロパシー様物質含有土壌における植物生育改善効果並びに立枯病(Foa)及び株腐病(Fp)に対する発病抑制効果が確認された。 以上のことから、忌地現象発生因子に関する基礎的知見が得られ、アスパラガス忌地現象におけるAMFによる総合的な植物生育改善法を確立できる可能性が明らかになった。
|