2009 Fiscal Year Annual Research Report
熱帯産花木ジャカランダの開花習性の解明と新規鉢物生産技術の確立
Project/Area Number |
19580035
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
宮島 郁夫 Kyushu University, 熱帯農学研究センター, 准教授 (20182024)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
尾崎 行生 九州大学, 大学院・農学研究院, 准教授 (60253514)
小林 伸雄 島根大学, 生物資源科学部, 教授 (00362426)
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Keywords | ジャカランダ / 花芽分化 / 熱帯 / 花木 / 開花習性 / 鉢物 |
Research Abstract |
本研究ではこれまでに北部九州におけるジャカランダの花芽分化時期を明らかにするとともに,ジャカランダの花芽分化には2カ月以上の低温遭遇が必要であることを明らかにした.これらの結果をふまえて,今年度は植物生長調節剤処理によるジャカランダの鉢物生産技術の確立を目指したが有益な結果を得ることができなかった.そこで,今後のジャカランダの新花色育種のために,ジャカランダの花弁に含まれる主要なアントシアニンについて定性を試みた. ジャカランダの花弁には総アントシアニン量に占める含有率が5%以上のアントシアニンが3種類含まれていたが,このうち,高速液体クロマトグラフィー(HPLC)での分析で保持時間16.3分に出現するアントシアニンの含有率は63%で,最も主要なアントシアニンであった.そこで,この主要なアントシアニン(A1)をカラムクロマトグラフィーおよび分取HPLCで単離精製し以下の実験に供した. 単離したA1の部分加水分解および完全加水分解の結果から,A1はマルビジン(Malvidin)を発色団とし,それに糖が複数結合した構造を有していることが明らかとなった.また,TLCおよびHPLC分析の結果から結合糖はグルコースであり,アルカリ加水分解の結果からA1は構造中に有機酸を有するアシル化アントシアニンであると思われた. さらに,A1は強酸溶液中では不安定な性質を示すことが明らかとなったことから,脂肪族有機酸やウロン酸等が結合した特殊なアシル化アントシアニンであることが示唆された.
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